月に一度、やってくる生理。女性の身体にとって大切なものではあるけれど、生理前になるとお腹に痛みがあったり、イライラしてしまったり気持ちが沈んでしまったりと憂鬱になることも多いですね。
そんなとき、心も身体もケアしてくれるヨガをしてみませんか?
心と身体に向き合うヨガは、生理中の不安定になりがちな女性の味方です。
なぜ生理痛は起こるの?女性の身体の仕組みと生理痛の原因
まずは、女性の身体の仕組みからご説明します。ご自身の身体を知って、痛みを対処しましょう。
女性の身体には赤ちゃんを育む子宮という器官があります。この子宮において、その内側を覆っている子宮内膜が排卵とともに受精卵の着床に備えて徐々に厚くなっていくのですが、受精卵が着床しなかった場合は不要となるためはがれ落ちて血液と一緒に身体の外に出ていきます。このときに感じる痛みを生理痛といいます。
では、その痛みのもとは何でしょうか?生理痛の主な原因は次のものが考えられます。
プロスタグランジンの過剰な分泌
プロスタグランジンとは、経血を押し出すために子宮を収縮させる働きをさせる物質です。このプロスタグランジンが多いと子宮が強く収縮し、キリキリとした痛みも強くなります。また、プロスタグランジンは血管を収縮させる働きもあるため、腰痛やだるさといった症状があらわれます。
冷えによる血行不良
生理が始まると、体温は生理前より下がり身体が冷えやすくなっています。身体が冷えると、血液の流れが悪くなり痛みの元であるプロスタグランジンも骨盤内に留まってしまい、ますます痛みがひどくなってしまいます。
強すぎるストレス
日々感じるストレスは、強すぎると自律神経のバランスを崩し、血行を悪くさせてしまいます。こうしたストレスによる生理痛も仕事や家事で毎日忙しい女性には多く見られます。
ヨガでは、生理中でも無理のないゆったりとした動きで骨盤内の血液の流れを良くしたり、呼吸法などで気持ちをリフレッシュすることでストレスを和らげたりすることができます。
生理痛がひどい人は?
生理痛は、女性の身体の仕組みとして避けようのないものではありますが、あまりにもひどい場合には「子宮内膜症」や「子宮筋腫」といった病気の可能性も考えられます。日常生活もままならないほどの痛みがある場合や、市販の痛み止めを服用しても痛みが治まらない場合などは一度婦人科を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。
生理のときにおすすめ!簡単ヨガポーズ5選
生理のときにおすすめのヨガポーズをご紹介します。どのポーズも簡単なものですが、ご自身の体調に合わせて無理せず行いましょう。
チャイルドポーズ 難易度★☆☆☆☆
正座を崩し、床におでこをつけて脱力するおやすみのポーズです。腰の筋肉を優しく伸ばすので腰が重いというときに効果的です。また、気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。
- 四つん這いになり、両足の親指をつけて両膝を腰幅に開き足の上に腰を下ろす。
- 息を吐きながら上体を倒して床に額をつけ、両腕を前方に伸ばして力を抜く。
- ゆったりとした呼吸を続ける。
- 息を吸いながら手で床を押し、ゆっくりと上体を起こす。
チャイルドポーズでついつい背中や肩に力が入っていませんか?こちらの記事ではポーズのポイントを詳しく解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。
ガス抜きのポーズ 難易度★☆☆☆☆
仰向けの状態で膝を抱えるという簡単なポーズです。簡単にできるポーズですが、腰をストレッチでき、リラックスすることができます。また、内臓の働きも促してくれるのでお腹の痛みも和らげます。
- 仰向けになり、息を吸いながら両膝を曲げて身体へ引き寄せる。
- 息を吐きながら両手で膝を抱え、さらに胸のほうへ近づける。
- 肩の力を抜き、両肩は床に近づける。
- 深い呼吸を5回続ける。
- 息を吐きながらゆっくりと仰向けの状態に戻っていく。
横たわった合せきのポーズ 難易度★★☆☆☆
股関節や太ももの内側を緩め、骨盤周りや足の血行を改善します。また、仰向けでリラックスし、自分の体重を預けることで呼吸を深めることができます。朝起きたベッドの上で行うのもおすすめです。
- 仰向けになり、両膝を立てる。
- 両足を外側に広げ、両足裏を合わせる。
- 両手は脇をこぶし1つぶん開き、手のひらを上にして楽な位置に置く。
- 身体の力を抜き、ゆっくりと呼吸を続ける。
- 余裕があれば両手を頭上方向に伸ばし、背骨を伸ばす。
キャットアンドカウ 難易度★★☆☆☆
骨盤周りを緩めるのに最適なポーズです。気持ちの良いところまで伸ばしたり緩めたり、ゆったりと呼吸を続けながら行いましょう。
- 四つん這いになり、両手は肩幅、両膝は腰幅に開く。
- 息を吸いながら背中を反らせ、目線を斜め上に向ける。
- 息を吐きながらおへそを覗き込むように背中を丸める。
- 背中を反らせる、丸めるポーズを繰り返す。
橋のポーズ 難易度★★☆☆☆
仰向けで後屈して橋の形のアーチを作るポーズです。下半身の筋肉を使い、骨盤を整えることで血流を良くし、痛みを緩和します。
- 仰向けになり両膝を立てる。
- 両足は腰幅に開き、かかとをお尻に近づけて膝の真下に置く。
- 肘を曲げて床を押し、胸を上げる。
- 足裏でしっかり床を踏みしめ、お尻を持ち上げる。
- 肘を伸ばし、肩甲骨を引き寄せるようにして両手を組む。
- 組んだ両手で床を押し、さらに胸を引き上げる。
- 深い呼吸を続ける。
- 息を吐きながら両手を解放し、上体を下ろしていく。
こちらの記事では橋のポーズの効果やコツをさらに詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
生理中のイライラに!ヨガの呼吸法
生理中のイライラには、ゆったりとした気持ちでリラックスすることが一番です。そんなときにおすすめなのがヨガの呼吸法です。ヨガには様々な呼吸法がありますが、今回はリラックス効果をもたらしてくれる基本の「腹式呼吸」をご紹介します。よりリラックスするため、横たわった状態で行います。
腹式呼吸のやり方
- マットの上に仰向けで横たわり、両膝を立てる。
- お腹の上に両手を置き、手のひらでお腹の動きを感じられるようにする。
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を大きく膨らませていく。
- お腹から空気を押し出すように、鼻からゆっくりと息を吐く。お腹の中の空気がなくなるまで丁寧に吐ききる。
- お腹の動きを感じながら、ゆったりとした呼吸を続ける。
生理のときには避けたほうがよいヨガポーズ
生理のときには、避けたほうがよいポーズもあります。それは逆転のポーズです。逆転のポーズは身体を逆にすることで、経血が出ていこうとする自然な流れを阻害してしまうため、
避けたほうがよいとされています。また、逆転のポーズは他のポーズと比べて体力を使うポーズが多いため、生理中のリラックスしたい身体には不向きだといえます。
ヨガを習慣にして生理痛を予防しよう
生理痛改善のためにおすすめのヨガはリラックス重視のゆったりとしたヨガです。生理中だけでなく、日常的にヨガを取り入れることで基礎代謝や体温が高まったり、自律神経が整ったりと生理痛の予防にもつながります。
オンラインで受講できるclassmall(クラスモール)では、リラックスヨガも充実。自宅でできるのでリラックス度も高まります。
リラックスヨガを日常的に取り入れて、生理痛のない快適な毎日を過ごしましょう。