伝統的な練習を尊重するアシュタンガヨガ
決められたルールの中で行うアシュタンガヨガ。プライマリー?レッド?など、知らない言葉が出て戸惑いを感じ、二度足を踏む人もいると思います。
でも、一度始めてしまうと、達成感と終わった後の爽快感が好きで続けている人が多く、男性にも人気です。
また、このヨガの特徴であるヴィンヤサは、パワーヨガやフローヨガの基になっているとも言われています。
今回は、アシュタンガヨガについて知っておくとよい情報をまとめました。
ぜひご自分の練習に生かして、いろんな学びや気づきを見つけてくださいね。
マイソールとレッド、レッスン形式の違い
アシュタンガヨガの特徴の一つにレッスンスタイルが2つあること。
マイソール、レッドと呼ばれ、生徒さんが各自でヨガを行うレッスンと、先生のガイドに従ってヨガをするレッスンに分かれます。自分の練習目的に合わせて選べます。
発祥地の名前がついたマイソールクラス
アシュタンガヨガ伝統のレッスンスタイルであるマイソール。生徒が教室に行ってそれぞれペースでヨガの練習をします。先生は生徒たちのポーズを見ながら、個々に指導していきます。
アシュタンガヨガはあらかじめポーズの順番が決まっているので、まずはそれを覚えるのが大切です。自信がない人はマイソールで自分の体に覚えさせましょう。
他の生徒さんもいるので、つきっきりではありませんが、個別のアドバイスがもらえるところがいいですね。
先生のガイドに合わせて行うレッドクラス
名前は、英語で導かれたを意味するledからきています。他のヨガレッスンと同様に、先生のペースに合わせてヨガをするクラスです。オンラインでよく行われていますね。
先生のガイドに従って行うので、自分のポーズに専念できます。また、自分と先生のペースの違いや体の動かし方も再確認できるのはいいところです。
ただし、レッドばかり参加していると、ポーズの順番が覚えにくいので、たまにはマイソールで、自分はどこまで覚えているか確認してみましょう。
アシュタンガヨガの象徴であるメソット【ヴィンヤサ】
アシュタンガヨガはヴィンヤサと呼ばれる2つの手法を使います。
1つは呼吸に合わせて体を動かし1呼吸1動作でポーズを取ることです。もう1つは、次のポーズへ移るための動きです。
ヴィンヤサはウジャイ呼吸をします
アシュタンガヨガはウジャイ呼吸が基本。吐くときにのどを締めて、音を立てながら行う呼吸法です。呼吸法では息を止めますが、アシュタンガヨガでは息を止めることはしません。吸気と呼気を続けてします。
まずはこの呼吸を意識しながらポーズを取ってみましょう。ウジャイ呼吸はこちらの記事で詳しく解説しています。
ポーズのつなぎ目に行うヴィンヤサ
次のポーズへ移る動きとしてのヴィンヤサは、立位のポーズではあまりしませんが、座位のポーズやフィニッシングポーズで多く取り入れられています。
以下のポーズがヴィンヤサのシークエンスです。難しいポーズが含まれるので、できないときは簡易ポーズでつなげていきます。
ポーズを続けてできるときや、ジャンプして移動できるときはヴィンヤサをしません。
ヴィンヤサのシークエンス1
- チャトランガ ダンダ アーサナ(または、8点のポーズ)
↓ - アッパードック(または、コブラのポーズ)
↓ - ダウンドック
ヴィンヤサのシークエンス2
- ダンダ アーサナ
↓ - 両手で上体を支えて、両ひざを曲げて交差させながら、足を後ろへ(できないときは、正座して足を移動させる)
↓ - チャトランガ ダンダ アーサナ(または、8点のポーズ)
↓ - アッパードック(または、コブラのポーズ)
↓ - ダウンドック
↓ - 両手で上体を支えて、両ひざを曲げて交差させながら、足を前へ(できないときは、正座して足を移動させる)
↓ - ダンダ アーサナ
アシュタンガヨガを深める2つの手法
ヨガに集中してポーズを発展させるために、アシュタンガヨガでは2つの手法を教わります。すぐに習得することはかないませんが、日々の練習の積み重ねでできるようになります。
ドリシュティ(目線)
ドリシュティは動作に合わせて決まったところに目線を置くこと。自分を外部の刺激から遠ざけ、ヨガに集中して意識を内側に向けさせます。
自然にできるようになったら、回りに左右させず自分に集中し、正しい位置でポーズをとることができると言われています。目線を置くときは、目に力を入れすぎないように気をつけて行いましょう。
ドリシティの位置(9カ所)
- ナサグライ(鼻先)
- ブローマディヤ(眉間)
- ナビ・チャクラ(へそ)
- ハスタグライ(手)
- パダヨラグライ(つま先)
- パールシュヴァ(右側)
- パールシュヴァ(左側)
- アングスタ・マ・ディヤイ(親指)
- ウールドゥヴァ(上方)
バンダ(体の締め付け)
バンダは体の一部分を締めることです。体内にある気を巡らせて、細胞に気を滞らせることをします。
アシュタンガヨガでは、足腰を持ち上げるときにバンダを使います。これをコントロールできるようになると、ハンドスタンドのポーズが取りやすくなり、ヴィンヤサで足を床につけずに移動させることができます。
アシュタンガヨガでは、この2つのバンダを使います。
ウディヤナバンダ
へそから5センチ下にある丹田がウディヤナバンダです。ここをへこませるだけでなく、みぞうち辺りまで持ち上げるイメージで締める動きをします。アシュタンガヨガは常にここを締めています。
詳しく知りたい方はこの記事を読んで、ウディヤナバンダの使い方を練習してください。
ムーラバンダ
ムーラはサンスクリット語で根を意味し、腹圧に関わる筋肉、骨盤底筋に位置するムーラバンダ。ここを締めるとその周辺にある筋肉も連動するため、上体が安定すると言われています。
ムーラバンダだけを締めるのは難しいので、まずは締めることを意識するように練習してください。
この記事でムーラバンダについて解説しています。
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決まったポーズを繰り返しするヨガですが、綿密に計算されたプログラムで成り立っていることに奥深さを感じます。バンダやドリシュティでポーズを深めて、動く瞑想を体験してください。
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こちらの動画は、classmallの稲垣智彦先生によるアシュタンガヨガクラスの様子。
アシュタンガヨガのイメージを掴みたい!という方はぜひご覧ください。