現代ヨガの一つ、月礼拝
女性のために考案されたヨガ月礼拝。発祥は1980年代のアメリカ。クニパルヨガの講師たちにより編み出されたシークエンスです。太陽礼拝は上下に動いて活動的ですが、月礼拝は左右横に展開し、エネルギーを下向きに流して鎮めます。また、太陽礼拝は呼吸に合わせて動くことで体を温めますが、それに対して、月礼拝はゆっくりとした呼吸とともに、心も体も落ち着かせます。
最近は、満月の日にレッスンが開催され、注目を浴びている月礼拝。股関節を横に開き、骨盤回りの筋肉を動かすので、女性特有の悩みを和らげると言われています。
月礼拝は呼吸に合わせてゆっくりする
クニパルヨガの教えに沿って、月礼拝をしながら自分の内側に湧く気持ちを感じましょう。自分の体と心の理解を深めます。完成形を目指すより、自分が気持ちよくなることを意識してください。ヨガの礼拝は、動いている瞑想でもあり、祈りでもあります。一周だけでなく2,3周行いましょう。
体をクールダウンさせ、柔軟性を高めるこの動きは、安らかな睡眠の準備として、夜に行うことをおすすめします。また、月礼拝は太陽礼拝より長いので、自分に集中できる時間で行ってみましょう。
月礼拝の順番
山のポーズで始まり、15ポーズを取りながら横に移動し、山のポーズで終わります。折り返しの花輪のポーズ以降、同じポーズが続きますが、足を変えて逆戻りしながら戻っていきます。リラックスした呼吸にあわせて、流れるようにポーズをつなげて行いましょう。
前半のシークエンス
- 1番目 山のポーズ
ヨガマットを横に置き、山のポーズで両手を胸の前で合掌。
- 2番目 立位の三日月のポーズ(右→左)
- 両手を上に伸ばす。息を吐くタイミングで体を右に倒す。
- 一度上体を起こしてから、次の吐く息で上体を左に倒す。
- 3番目 女神のポーズ
- 左足を大きく左に開く。背筋を伸ばし両足を外に開く。ひざを足先と同じ向きする。
- 吐く息のタイミングで、両手を開いてひじを曲げ、ひざを曲げてお尻を真下に下ろす。
- 4番目 三角のポーズ
- 上体を持ち上げ、左の足先を横、右の足先を正面に向ける。
- 息を吐きながら、左のももの付け根を右に引き、上体を左に倒す。手を上下に伸ばし、目線は上へ。
- 5番目 体側を強く伸ばすポーズ
- 上体を起こして手を腰に置き、右のかかとを右側にずらす。右ももを内側から回し、骨盤の向きを横にする。
- 息を吐くタイミングで、左のお尻を後ろに引きながら、前屈する。
- 6番目 三日月のポーズ
- 左ひざを曲げ、両手、右ひざも床に着く。両手を床から離し上体を起こす。目線を正面に向ける。
- 吐く息にあわせて、お尻を真下に下ろす。胸を開いて上体を反らす。
- 7番目 深めのサイドランジ
- 両手を下ろして床に着く。手を使いながら上体を右へ動かし、正面に向ける。
- 左足をつま先立ちにして、吸う息に合わせて上体を少し起こす。右足を横に広げてつま先を上にする。
- 8番目 花輪のポーズ
- 右ひざを曲げ、右足を左に寄せて、左のかかとを下ろす。両ひざを外側に開く。
- 息を吐くタイミングで両手を合掌し、両すねを両ひじに当てて押し合う。背筋を伸ばす。
後半のシークエンス
- 9番目 深めのサイドランジ(反対側)
- 両手をほどいて床に着き、両足をつま先立ちになる。
- 次の吸う息で上体を少し起こし、左足を横に広げてつま先を上にする。
- 10番目 三日月のポーズ(反対側)
- 左ひざを曲げ床に着く、両手を使って体を右へ動かし、横向きにする。
- 右足をひざと同じ向きにして、吸う息に合わせて上体を起こす。目線を正面に向ける。
- 息を吐きながら、お尻を真下に下ろす。胸を開いて上体を反らす。
- 11番目 体側を強く伸ばすポーズ(反対側)
- 両手を床に着き、左足をつま先立ちにして、左ひざを持ち上げる。左のかかとを左にずらして下ろす。
- 両手を腰に置き、上体を起こして右ひざを伸ばす。吐く息に合わせて、背筋を伸ばしたまま前屈する。
- 12番目 三角のポーズ(反対側)
- 上体を持ち上げ、上体を正面に向ける。左足も正面に向けて右足を横に開く。
- 吐く息に合わせて、右ももの付け根を左に引きながら上体を右に倒す。手を上下に広げて、目線を上に。
- 13番目 女神のポーズ
- 上体を起こし、両足少し寄せ外に開き、ひざと足先の向きをそろえる。
- 息を吐きながら両ひじを曲げて、お尻を真下に下ろす。
- 14番目 立位の三日月のポーズ(左→右)
- 上体を持ち上げ、右足を左足に寄せ、両手を上に伸ばして合掌。背筋を伸ばす。
- 息を吐きながら上体を左に倒す。上体を起こして背筋を伸ばし、次の吐く息で上体を右に倒す。
- 15番目 山のポーズ
- 上体を起こし背筋を伸ばす。合掌したまま胸の前に下ろす。
ひととおり終えたら、月礼拝で元の位置に戻る
今度はマットの左側から月礼拝をして、右に移動し元の位置に戻ります。立位の三日月のポーズは左側の体側から傾けます。右足を横に出して両足を開いて女神のポーズをしましょう。右の足先を横にして三角のポーズをします。右足を前にして体側を強く伸ばすポーズをし、左ひざを床に着けて三日月のポーズをします。体を左へ動かして、右足をつま先立ちして深いサイドランジに入ります。折り返しの花輪のポーズまできたら、ポーズを逆戻りしながら続けましょう。最後は、立位の三日月のポーズで左足を右足に寄せ、山のポーズで終わりです。
月礼拝はももの内側と裏側を伸ばします。股関節や太ももの内側が硬い人は、足幅を狭くします。太ももの柔軟性が高い人は足幅を広くしましょう。深いサイドランジもしゃがんでしづらい場合は、上体を起こして大の字にします。両手を前で合掌して、片ひざを軽く曲げておこないます。無理せずに気持ちよくポーズを取るようにしましょう。
やさしい月礼拝のシークエンス
花輪のポーズ、三日月のポーズ、サイドランジ、体側を強く伸ばすポーズがなくなり、代わりに戦士のポーズ2番をするやさしい月礼拝です。オリジナルのシークエンスが難しく感じる人向けに考案されたものです。こちらも山のポーズで始まり、山のポーズで終わります。1周で終わらずに、2,3周続けてみましょう。ご自身のペースで深い呼吸を意識しながら行ってください。
簡易版月礼拝のシークエンス
- 1番目 山のポーズ
- マットの中央で立ち、背筋を伸ばして合掌。
- 2番目 立位の三日月のポーズ(右→左)
- 合掌した手を上に伸ばし、左へ傾ける。
- 上体を起こし、右へ傾ける。
- 3番目 女神のポーズ
- 上体を起こして両手をほどき、肩の位置で両手を左右に広げる。
- 両足を大きく開いて、両ひざ、両足先を外側に向ける。
- 両ひじ、両ひざを曲げながら、お尻を真下に落とす。
- 4番目 三角のポーズ
- 両ひじ、両ひざを伸ばし、左足先を横に、右足先を正面に。
- 股関節を右に引き、上体を左へ傾ける。両手を回転させながら、上下に広げる。目線は上に。
- 5番目 戦士のポーズ2番
- 上体を起こして、両手を左右に広げる。
- 左ひざを曲げ、目線は左手の先へ。
- 6番目 女神のポーズ
- 左ひざを伸ばして、両足を外側に開き、
- 両ひざ、両ひじを曲げて、お尻を真下に落とす。
- 7番目 三角のポーズ (反対側)
- 両ひじ、両ひざを伸ばし、右足先を横に、左足先を正面に。
- 股関節を左に引き、両手を回転させながら上体を右に傾ける。
- 8番目 戦士のポーズ2番 (反対側)
- 上体を起こして、手を左右に広げる。
- 右ひざを曲げて、目線は右の手先へ。
- 9番目 女神のポーズ
- 右ひざを伸ばして、両足を外側に開き、
- 両ひざ、両ひじを曲げて、お尻を真下に落とす。
- 10番目 立位の三角のポーズ (左→右)
- 両足を中央でそろえて、胸の前で合掌。
- 合掌した手を上に伸ばし、左に傾ける。
- 上体を起こし、右に傾ける。
- 11番目 山のポーズ
- 上体を起こして、両手を胸の前で合わせて合掌。
おうちヨガで月礼拝をしましょう
月礼拝は太陽礼拝よりポーズが多いので、何回かレッスンに参加して体で覚えていきましょう。
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月礼拝は、女性にとって大切にしたい筋肉を強くてしなやかにしてくれます。いつも行っている太陽礼拝と違った趣のある月礼拝。やってみてはいかがでしょうか。