ヨガを象徴するポーズのひとつである鳩のポーズは、優雅で女性らしく憧れるという方も多いですよね。このポーズは様々な部位の柔軟性が求められるため、上手にポーズをとれないという方も多いです。今回はそんな鳩のポーズの難関ポイントとその攻略法を解説します。また、このポーズには難易度の低い様々なバリエーションもありますので、まずは簡単なポーズからチャレンジしてみても良いかもしれません。
コツをつかんで優雅に鳩のポーズをとりましょう。
鳩のポーズとは?
ヨガのポーズには動物の名前がついたものが多いですが、この鳩のポーズもそのひとつです。身体を反らして胸を張る様子が胸をふくらませた鳩に見えることからこの名前がついたと言われています。
正式な名前はサンスクリット語で「エーカ・パーダ・ラージャ・カポタ・アーサナ」と言い、エーカは数字の1、パーダは足、ラージャは王様、カポタは鳩の意味で1つ足の鳩王のポーズというものです。
鳩のポーズのやり方
- 難易度★★★★★
- 四つん這いの姿勢になる。手は肩の下、膝は骨盤の下に置く。
- 右足を前に出し、膝を外側に開く。左足は後ろへ伸ばす。
- 左膝を曲げ、足の甲を左手でつかんで引き寄せる。
- 足先を持ったまま左ひじを上に向け、右手も左手と同様に足を持つ。
- 胸を引き上げながら、頭頂部を足に近づける。深い呼吸を続ける。
- 息を吐きながら両手を足から離し、左足を下ろす。
- 手をついてお尻を持ち上げ、四つん這いの姿勢に戻る。
- 左右の足を変えて反対側も同様に行う。
鳩のポーズを行なうときのポイント
鳩のポーズを行なうときには、骨盤が開いてしまわないように後ろに伸ばす足のももを内側に入れ込むように意識しましょう。また、深い呼吸ができるように胸をしっかり張り視線は天井方向に向けます。
鳩のポーズの効果
鳩のポーズは座って行うポーズですが、上半身から下半身まで大きく身体を使うため様々な効果が期待できます。
姿勢改善
縮こまってしまった筋肉を伸ばすことで、姿勢の改善に効果があります。
猫背のように身体が前かがみになり背中が丸まってしまっている姿勢では、身体の前側の筋肉が縮こまってしまっています。鳩のポーズは、身体の前側全体を大きく伸ばしていくため筋肉の本来の柔軟性を取り戻し、正しい姿勢を保つことができるようになります。
肩こり解消
肩回りの筋肉をほぐし、柔らかくしてくれます。筋肉が柔らかくなることで血流がスムーズになり疲労物質や老廃物が排出されやすくなり、首や肩まわりの凝り解消にも効果的です。
内臓の活性化
胸に反りを加える後屈のポーズは内臓に刺激を与え、活性化させることができます。内臓が活性化することで、便秘の改善や巡りが良くなることによる肌艶の向上などに効果が期待できます。
呼吸を深くする
胸を大きく張るポーズの練習は、呼吸を深くすることにも役立ちます。上半身を大きく動かすことで肋骨にも動きが出て、また肋骨の間の筋肉にも柔軟性が出て呼吸がしやすくなり、深い呼吸をすることができるようになります。
鳩のポーズの難関ポイントと攻略法
足のポジションが決まらない
理想的なポジションに足を置けないのは、股関節まわりやお尻の筋肉に柔軟性が足りないのが原因です。
- お尻のストレッチ:針の穴のポーズ 難易度★★☆☆☆
- 仰向けになり、両膝を揃えて立てる。
- 左足を持ち上げ、外くるぶしを右ももにのせる。
- 両手で右ももの裏側をもち、息を吐きながら胸のほうへ引き寄せる。
- 右のお尻が伸びているのを感じながら呼吸を続ける。
- 息を吐きながら右足を下ろし、両手、左足を解放する。
- 反対側も同様に行う。
上半身が倒れてしまう
身体が前に倒れてしまい起き上がることが難しいときは、鼠径部が凝り固まっていることや、ももの前側の筋肉が硬いことが原因です。
- 鼠径部のストレッチ:合せきのポーズ 難易度★★☆☆☆
- 両膝を立てて座る。
- 両膝を外に開き足裏を合わせ、骨盤を立てて背筋を伸ばす。
- 両手で足の甲を持ち、両足を身体のほうへ引き寄せる。
- 息を吐きながら両もものつけ根から前屈する。背骨は長く伸ばす。
- 息を吐きながら上体を起こす。
- ももの前側のストレッチ:あお向けの英雄のポーズ 難易度★☆☆☆☆
- 割り座になり、両手を身体の後ろに下ろす。
- 手を後方へ歩かせながらゆっくりと上体を後ろに下ろす。
- 両腕を頭上に伸ばし、左右の手でそれぞれの肘をもつ。
- 両手を解放し、両手で上半身を支えながら起き上がる。
膝が曲がらない
後ろ足の膝が曲がらないのは、ももの前側の筋肉が固まってしまい伸びなくなっていることが原因です。前足の膝が曲がりにくい、安定しにくいときはお尻の筋肉が固まってしまっていることが考えられます。
- ももの前側のストレッチ:片足を伸ばしたかえるのポーズ 難易度★★☆☆☆
- 両足を腰幅に開いてうつ伏せになり、左右の前腕を床に置いて上体を起こす。肘は肩
の真下の位置。 - 右手を45度内側の向きに置き、上体を支える。
- 左ひざを曲げ、左手で足の甲を内側からもつ。
- 息を吐きながら左手で足の甲を押さえ、かかとを座骨に寄せる。
- 左足の前ももの伸びを感じながら、深い呼吸を数回続ける。
- 息を吸いながら左手を離し、左足をもとの位置に戻す。
- 反対側も同様に行う。
- お尻のストレッチ:ゆりかごのポーズ 難易度★★☆☆☆
- 両膝を立てて座り、左ひざを外側に開きかかとを身体に引き寄せる。
- 両手で右の足裏をもち、脛が床と平行になるところまで引き上げる。
- 両腕で右のふくらはぎとかかとを抱え込み、胸へ引き寄せる。右のつま先は立てておく。
- 骨盤を立てて深い呼吸を数回続ける。
- 息を吐きながら右足を解放する。
- 反対側も同様に行う。
腰を反りすぎて痛くなる
腰椎が過度に曲がっていて、胸椎を使えていないことが原因です。
- 胸を大きく開く:魚のポーズ 難易度★★☆☆☆
- あお向けになり、両手の平を下にしてお尻の下に置く。
- 息を吸いながら前腕と肘を強く押して頭頂は床につけたまま胸を持ち上げる。
- 深い呼吸をしながら胸を開く。
- 息を吐きながら胸を下ろし両手を解放する。
手が届かない
手で足をつかめないのは、上半身が硬かったり、肩や腕の柔軟性が不足していたりすることが原因です。
- 肩の柔軟性を高める:牛の顔のポーズ 難易度★★★☆☆
- 両膝を立てて座り、左膝を外に開いて倒し、かかとを右のお尻に近づける。
- 右脚を左ももの外側に置いて膝を倒し、左右の膝を身体の中央に引き寄せる。
- 左腕を上に伸ばし、肩を後ろにひいて肘を曲げる。
- 右手は下から回し、右手の指と左手の指を絡める。届かない場合はタオルをつかって右手と左手をつなぐ。
- 背筋を伸ばしたまま、呼吸を繰り返す。
- 息を吐きながら両手を解放する。
- 息を吸いながら両膝を立てる。
- 反対側も同様に行う。
鳩のポーズのバリエーション
鳩のポーズには、難易度の低い様々なバリエーションがあります。まずは難易度の低いポーズから練習してみるとイメージがつかみやすく、理想的なポーズに近づくことができます。
眠った鳩のポーズ
- 難易度★★☆☆☆
眠った鳩のポーズは身体を持ち上げるのではなく、前に倒してうつ伏せになるポーズです。前脚側のお尻の筋肉をストレッチすることができます。
- 四つん這いの姿勢になる。
- 右足を前に出し、膝を外側に開いて床につける。左足は後ろに伸ばす。
- 両手を前方に伸ばして背骨を長く保ち、息を吐きながら上体を倒していく。
- 深い呼吸を続ける。深められそうであれば、さらに胸を床へと近づける。
- 息を吸いながら両手を使って上体を起こす。
- 四つん這いの状態に戻る。
- 反対側も同様に行う。
小鳩のポーズ
- 難易度★★★☆☆
曲げた後ろの足を肘でひっかけて持ち上げるポーズです。体側を気持ちよく伸ばすことができます。
- 四つん這いの姿勢になる。
- 右足を前に出し、膝を外側に向ける。左足は後ろへ伸ばす。
- 左ひざを曲げる。左ひじを後ろにまわし、左の足先を引っ掛ける。
- 右腕を持ち上げ、肘を曲げて右手と左手の指を絡める。
- 胸を開いて深い呼吸を続ける。
- 息を吐きながら両手、左足を解放する。
- 四つん這いの状態に戻る。
- 反対側も同様に行う。
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