優雅さの象徴、極楽鳥のポーズとは?
ヨガのサイトや雑誌などでよく見かける極楽鳥のポーズ。サンスクリット語で「スヴァルガ ドゥヴィジャ アサーナ」です。形は極楽鳥花にも似ていて、ピンと伸びた脚や上体がこの花びらを連想させます。
難易度が高く、股関節や太ももの柔軟性も必要としますが、バランス力を養い心にも柔軟性を与えるこのポーズ。挑戦したい人はこの記事を読んで、ポーズに必要な体作りをしていきましょう。
ポーズを練習する前に知ってほしいこと
このポーズは上級者向けのため、下記のことができないとケガをしてしまいます。チャレンジする前に確認してみましょう。
片足立ちのポーズができる
極楽鳥のポーズは両手を後ろで組むので、手でバランスをとることができません。木のポーズやワシのポーズをマスターしないと、このポーズは難しく感じます。バランスポーズを安定させるには、軸足のお尻の外側をグッと引き締め、足のうら全体で力強く踏み込み、おへその下、丹念を強くしましょう。
手を後ろに回して組むことができる
極楽鳥のポーズは、片手を片足を挟みながら背面に回し、反対側の手首をつかみます。肩が硬いと後ろで手をつかむことができません。肩こりさんは肩を動かさない傾向にあるので、日頃から肩の上げ下げをしたり回してほぐす意識を。巻き肩気味の人は、鎖骨の下から脇の下横まで優しく押してほぐし、後ろで両ひじをつかんで肩の前側を伸ばしましょう。
股関節や太ももの裏側と内側の柔軟性がある
重力に逆らって脚を上げて広げていくので、股関節と太ももの柔軟性と筋力が必要です。股関節が硬い人は、股関節を広げるポーズ(がっせきのポーズ、寝たハトのポーズ、針の穴のポーズなど)を、太ももが硬い人は前屈や開脚で太ももを伸ばすポーズ(頭をひざにつけるポーズ、サギのポーズ、立位前屈のポーズなど)で柔軟性を上げていきましょう。無理をせずに1ミリずつ広げていく意識で。
極楽鳥のポーズがしやすくなるポーズ
この3つのポーズを前もってしておくと、極楽鳥のポーズが取りやすくなります。どれも中級レベルなので、準備運動や太陽礼拝などをして、体をほぐしてから実践してください。
マリーチ アーサナ(聖者マリーチ1のポーズ)
肩関節の柔軟性を上げ、ハムストリングスを伸ばします。肩関節が硬く手が届かないときは、手を後ろに回せるところで手を置きます。ハムストリングスが硬いときは、ひざを曲げて行います。
- 長座になり左ひざを曲げ、かかとを座骨の延長上に置く。
- 息を吸いながら、上体を軽く傾け、左手を前に出し、左手の甲を右に向ける。
- 息を吐きながら左手を回し、左脚を挟んでひじを曲げて背中に回す。
- 右手を背中に回し、左手で右手をつかむ。
- 息を吸うタイミングで、背筋を軽く伸ばす。
- 息を吐きながら軽く前屈する。この状態を数秒キープ。
- 息を吸いながら上体を起こし、手をほどき長座に戻る。反対側も同様に行う。
背中で手をつかんで体側を伸ばすポーズ
サンスクリット語で「バッダ パールシュヴァ コーナ アーサナ」。後ろで手を組んだまま股関節を広げる動作をしておくと、さらにポーズがしやすくなります。両足を踏み込み、前脚のももを外側に広げて、つま先と同じ向きにしたままポーズをとりましょう。後ろで手が組めないときはタオルを使います。タオルを短く持つとポーズも取りやすくなります。
- マットの中央で横向きに立ち、脚を左右に大きく開き、右のつま先を横に開く。
- 右のかかとの延長線上に、左足の土踏まずがあることを確認。(英雄のポーズ2番と同じ形)
- 右のすねが床と垂直になるようにひざを曲げ、かかとより前に出ないようにする。
- 右ひじを右ももの上におき、左手を後ろに回してひじを曲げる。(タオル使うときは左手で持つ)
- 息を吐きながら、腹筋を使ってさらに上体を倒す。
- 右手をももの下からくぐらせ、左の手首をつかむ。(タオルを使うときは右手でつかむ)
- 息を吸いながら、腹筋で上体を起こし背筋を伸ばす。
- 息を吐きながら上体を左にねじり、左胸を上にむける。
- 目線は上に向けて、数秒キープする。
- 息を吸いながら、手をほどき、腹筋を使って上体を起こす。
- 右足を正面に戻し、左のつま先を横にして、反対側も同様に行う。
ウティッタ ハスタ パーンダングシュタ アーサナ(手で足をつかんで伸ばすポーズ)
サンスクリット語で「ウティッタ ハスタ パーンダングシュタ アーサナ」。片足を上げて伸ばすバランスポーズで体を慣らしておきましょう。その日の調子を知ることもできるので、本題に入る前にしておくと安心です。上の足のもも裏がこわばっているときは、ひざを曲げて行います。
- 山のポーズ、基本姿勢になり、重心を左側に移す。左手は腰に置く。
- 重心が移ったら、右ヒザを曲げて足をゆっくり上げる。
- 右脚の内側から右手で右足の甲の外側をつかむ
- 息を吐きながら、ゆっくりと右脚を前に出し、右手と右足のうらでぐっと押し合う。
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら右ももを外側にまわして脚をひらく。
- 左手は腰に置き、目線は正面か左に向ける。(余裕があれば、左手を上に伸ばすか、横にひろげる)
- 息を吐きながら左手を下ろし、右手右足をほどいて、右脚をゆっくりおろす。
- 山のポーズに戻る。続いて反対側も同様に行う。
準備が整ったら、極楽鳥のポーズに挑戦しよう
体が温まって準備のポーズもできたら、極楽鳥のポーズをしましょう。体の重心が片足に乗ったら、上げる足をつま先立ちにしておくと、ポーズが取りやすくなります。上体が安定したら、上の脚のももと組んでいる手を押し合いながら行うと、脚が上がり伸ばしやすくなります。背筋を伸ばして胸も開きましょう。
- 座骨幅より広めに足を広げて立つ
- 上体を倒して、右足をつま先立ちにする。
- 右肩を右ももの内側におき、肩を丸めて右ひじを曲げる。
- 右ももを挟むように、右手をももの下からくぐらせて、背中に回す。
- 左手を後ろに回して右手に近づけ、右手で左手の手首をつかむ。体の重心を左足に移す。
- 息を吸いながら上体をおこし、片足立ちになる。
- 左足のうら、左のお尻の外側、体幹を強くして上体を安定させる。
- 安定したら、ゆっくりと右脚をもち上げ、ももを外側に回しながら開く。
- 目線は正面または左に向け、数秒キープする。
- ゆっくりと両手をはずして、右足を下ろし、山のポーズに戻る。反対側も行う。
極楽鳥のポーズがきつく感じたら、この方法で実践しましょう。
手が後ろで組めない場合
タオルやヨガベルトを使って、両端を持ちながら行います。ポーズを始める前にタオル、ベルトの長さを調節しましょう。左手で持って山のポーズから始めます(右足が軸足の場合は右手で持つ)。このとき、タオルやベルトを長めに持つと、脚が上がりづらいので、なるべく短めにしましょう。
- まずは、手順の1~5までポーズを進めます。(前屈して、手をももの下からくぐらせるまで)
- タオルの端をもった左手を後ろに回し、右手で反対側の端をもつ。体の重心を左足に移す。
- 息を吸いながら上体をおこし、片足立ちになる。
- 左足のうら、左のお尻の外側、体幹を強くして上体を安定させる。
- 安定したら、ゆっくりと右脚をもち上げ、ももを外側に回しながら開く。
脚が伸ばしにくい場合
ハムストリングスの柔軟性に自信がない人は、上脚のひざを曲げた状態で挑戦してください。ここまで来たらポーズの8割はできています。
- まずは1~7までポーズを進めます。(片足立ちになり、反対の足を持ち上げるところまで)
- 安定したら、右ひざを曲げたまま、ももを外側に回して開く。
- 目線は正面または左に向け、この状態をキープする。
ひざを曲げた状態に慣れてきたら、少しずつ上脚を伸ばしていきましょう。
またハムストリングスを緩めるヨガポーズはこちらの記事でご紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
ご自身のペースで、極楽鳥のポーズをマスターしよう
上級向けのヨガポーズを練習するときは、ご自身のペースで時間をかけてゆっくりするのが一番の近道です。早く習得したいと焦って無理にポーズを取ると、転んだり筋肉を傷めたりします。ご自身の体と相談ながらポーズの練習をしていきましょう。万が一、筋肉や筋を痛めたら、早めに医療機関へご相談してください。
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この優雅なポーズのように自分の内面も体も凛とさせて、ブレない自分を作っていきましょう。