ずっと気分が憂鬱、やる気が出ない、動きたいのに体が重たい…こんな気持ちになってしまうことはありませんか?
仕事でミスをしてしまったり、人間関係がうまくいかなかったり、何か原因があって一時的に落ち込むことは誰にでもあります。
しかし特に原因が分からなかったり、問題が解決した後もこのような憂鬱な気分がずっと続いてしまうという方が、近年は非常に増えてきているんだそう。
このような状態がずっと続くと、仕事や学校に行けなかったり思うように体が動かせなくなったり、自分でも自分をコントロールできなくなってしまうことがあります。
うつ病になる原因と症状
どうしてこのような憂鬱な気分が続いてしまうのか、その原因は人によって様々で、医学的にもまだ明確にはされていません。
原因
うつ病は心の病と思われがちですが、じつは脳の病気でもあります。
心理的なストレスとは、過労や対人関係のトラブル、離婚や死別といった生活上の問題が原因となるストレスですが、そうした心理的なストレスがきっかけとなり、そのストレスで脳の働きのバランスが崩れることで、うつ病が発症すると考えられています。脳にはたくさんの神経細胞があり、さまざまな情報を伝達していますが、その働きで「感情」が生まれます。
引用元:NHK健康チャンネル https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_203.html
最近の研究では、ストレスを受けることで脳の一部の神経細胞の形に変化が生じ、それによって感情や考え方にゆがみが起きるのではないかと指摘されています。
このように気分が落ち込む原因はただ1つだけではなく、様々な要因が積み重なっていると言われています。
主な症状
うつ病を診断するときに特に重要なのが、「憂うつな気分」と「何に対しても興味が持てない」という2つの症状です。
この2つのうち、どちらかひとつでも、ほとんど一日中、ほとんど毎日、2週間以上続いている場合、うつ病の可能性が高いと考えます。体の不調は本人も感じやすく、人にも伝えやすいのですが、心の不調は自覚するのが難しいこともあって、受診時に体の症状を訴える人が多いようです。
引用元:NHK健康チャンネル https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_203.html
眠れなかったり、食欲がなかったり、息切れしたりといった症状も、うつ病が原因で起こっている場合もあります。
精神的な症状と体の不調、ともに現れることがほとんどです。
うつ病を解消するために自律神経を整えよう
うつ病を解消する方法として、ヨガがおすすめと言われています。
ヨガのポーズの効果の中には「自律神経が整う」というものが多くありますよね。
この自律神経を整えるということが、憂鬱な気分を解消する大きなポイントになってきます。
少し難しいお話になるのですが、自律神経は交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立っています。
交感神経は日中仕事をしている時など脳が活発に動いている時、副交感神経は睡眠中などの脳がリラックスしている時に優位になります。
この2つの神経がバランスよく機能することで、人間の心と体は健康な状態を保つことができるようになります。
しかしストレスや疲れが重なるとどちらかの神経が常に優位に働いてしまい、自律神経が整っていない状態が続きます。
また普段からこの自律神経のバランスを整える働きをしてくれているセロトニンという脳内物質があります。
「幸せホルモンセロトニン」という言葉を聞いたことはありませんか?
このセロトニンという物質は精神を安定させてくれたり、安心感や幸福感を生み出すとしてこのような名前で呼ばれています。
憂鬱な気分の時はこのセロトニンが減少していることが多く、その影響で自律神経も乱れやすくなります。
ヨガにはそのセロトニンを増やし、自律神経を整える効果があると言われています。
憂鬱な気分の時はヨガでリラックス
ヨガのどのような部分が自律神経を整えたりセロトニンを増やすことに繋がるのか詳しく説明していきたいと思います。
まず自律神経というのは、基本的には自分ではコントロールできません。
ただ、1つだけコントロールする方法があります。
それが「呼吸」です。
呼吸を整えることが、自律神経を整えることに繋がるのです。
ヨガは常に呼吸を意識しながら行います。
そしてヨガで行われる主な呼吸は腹式呼吸といった呼吸法です。
腹式呼吸はゆったりとした深い呼吸を繰り返す為副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。
またセロトニンを増やす為には一定のリズムで行う適度な運動が効果的だと言われています。
セロトニンの分泌を促すには
リズミカルな運動によって活性化されるという特徴があります。
引用元:医療法人社団 平成医会 https://heisei-ikai.or.jp/column/serotonin/
最も基本的なリズム運動としては、歩行運動、食事の際の咀嚼、意識的な呼吸などがあります。
一定のリズムを刻む運動を反復して行うと、セロトニン神経を刺激して覚醒状態を高め得る効果があります。
ヨガのように一定のリズムで呼吸を行いながら体を動かすような動きはまさに最適です。
これはウォーキングや軽いジョギングでも構いませんが、普段から運動をしていなければ体力的な負担がかかる場合もあります。
ヨガはゆったりとした動きで比較的体に負担をかけずに行うことができる為、最初の段階で始めるものとしてもおすすめできます。
このように様々な角度からうつ病を引き起こす原因となるものにアプローチすることができる為、ヨガがおすすめなのです。
リラックス効果のあるおすすめポーズ
簡単にできてリラックス効果の高いヨガのポーズをご紹介します。
キャット&カウ
- 床に四つ這いになる
- この時に肩の下に手首、骨盤の下に膝が来るようにし、肘は力を入れすぎないよう少し緩める
- 息を吸いながらお尻を天井方向へ向け、お腹を床に近づけていくようなイメージで背中を剃らせながら胸を開き目線を上げる
- 息を吐きながらお尻を床の方へ向け、お腹を床から引き上げるようにしながら背中を丸めて目線はおへそを覗き込む
- 呼吸に合わせて5呼吸ほどこの動きを繰り返す
お尻の位置が前後にずれないようにキープしながら、骨盤から動かすように行うことがポイントです。
背骨の1本1本を丁寧に動かしていくようなイメージで、呼吸に合わせてゆっくり行いましょう。
一定のリズムでの呼吸に合わせてゆっくり同じ動きを繰り返す為、自律神経を整える効果があります。
また自律神経は背骨の中を通っている神経なので、このように背骨を細かく動かすことによって周りの筋肉がほぐれ、よりリラックスした状態になります。
コブラのポーズ
- 床にうつ伏せになる
- 足は腰幅くらいに開き、足の甲を床につける
- 両手を胸の横に置き、脇をキュッと閉める
- 息を吸いながら両手で床を押しながら上半身を起こしていく
- 目線を斜め上の天井方向に向けながら5呼吸ほどキープし、息を吐きながら元の位置に上半身を戻していく
動きがとてもシンプルで初心者の方でも簡単に行えるポーズですが、1つ1つの動きを丁寧に行うことでより効果が高まります。
胸を大きく開く為自然と深い呼吸がしやすく、リフレッシュ効果の高いポーズです。
また背中を大きく反らせることで猫背や前屈みになりがちな姿勢を正しく改善することができます。
座ったまま体側を伸ばすポーズ
- 片足を横に開いてまっすぐ伸ばし、もう片方の足は膝を曲げるようにして踵を恥骨に近づける
- 伸ばしている足の方の手は軽く膝に添え、反対の手は体側に置く
- 息を吸いながら膝を曲げている方の手を天井方向へと伸ばし、吐きながら伸ばした手と一緒に上半身を反対側へ倒していく
- 3呼吸ほどキープしたら息を吸いながら上半身を元の位置に戻し、吐きながら手を体側におろす
- 足を入れ替えて反対側も同様に行う
こちらも座ったまま行える簡単なポーズです。
伸ばしている手の方のお尻が浮かないように、お尻はしっかりとマットに残したまま上半身を上に引き上げていくようなイメージで行いましょう。
体側を大きく伸ばすことで横隔膜や肋骨周りの筋肉が柔らかくなり、呼吸がしやすくなります。
ヨガで心も体もリラックスしよう
うつ病になる原因は人それぞれ違う為、自律神経が整ったからといって必ずしも精神状態が安定するというわけではありませんが、気持ちを落ち着かせる1つの手段としてヨガはとてもおすすめです。
ですがこのような憂鬱な気分が続いている時にいちばん大切なのは無理をしないことです。
気が進まなかったり体が疲れていると感じたら無理に動かず今の自分の体としっかり向き合って、できそうな時に簡単な動きから始めてみましょう。
まずは寝転がって呼吸を整えるだけでも大丈夫です。
1人で行うのが少し不安という方には、オンラインレッスンもおすすめです。
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オンラインなら自宅で誰にも見られずレッスンを受けることもできる為、外に出るのが億劫だなと感じる方でも気軽に受けられますよ。
寝る前に行うことで質の良い睡眠をとることが期待できるので、夜ヨガは特におすすめです。
ヨガを少しずつ日常生活に取り入れて、心も体もリラックスできるような健康な状態を目指しましょう!