アシュタンガヨガと聞くと、ハードなヨガのイメージがある方も多いのではないでしょうか。
アシュタンガヨガは、ヨガの流派の中でも運動量が多く、決められたポーズを順番通りに行う練習法で、「動く瞑想」などとも呼ばれています。
エネルギッシュでダイナミックな動きが多いアシュタンガヨガですが、継続することで柔軟性や筋力、体力の向上に加えて、集中力や冷静さを養うことができ、ストレス軽減にも効果的です。
今回は、そんなアシュタンガヨガの特徴や効果、ベーシックなポーズをご紹介します。
これからヨガを始める方、アシュタンガヨガが気になるという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
アシュタンガヨガってどんなヨガ?
アシュタンガヨガの歴史
アシュタンガヨガは、ティルマラ・クリシュナマチャリヤ師が基礎を考案し、彼の弟子であるシュリ・K・パタビジョイス師によって、現代の社会に合わせて分かりやすくアレンジされたものです。
また、1990年代にアメリカでブームとなったパワーヨガは、アシュタンガヨガをベースに考案されました。
アシュタンガヨガの特徴
アシュタンガとはサンスクリット語で「八本の枝(八支則)」という意味を持ち、全てのヨガの根底にある考え方です。
- ヤマ(Yama/禁戎)
- ニヤマ(Niyama/勧戎)
- アサナ(Asana/坐法)
- プラーナヤーマ(Pranayama/呼吸)
- プラティヤーハーラ(Pratyahara/感覚の制御)
- ダーラナ(Dharana/集中)
- ディヤーナ(Dhyana/瞑想)
- サマーディ(Samadhi/三昧)
アシュタンガヨガでは、定期的なポーズの練習や呼吸法に加え、日常生活の中でも嘘をつかない、執着しないなどの思想を実践し、最終的に心と体を完全にコントロールすることができる「サマーディ」という至福の状態を目指します。
継続することで、体力や筋力が上がるなど肉体的な部分だけでなく、精神的な面でも変化を感じられます。
アシュタンガヨガの流れ
アシュタンガヨガは、決められたポーズを順番に行い、途切れることなくポーズを続ける独特の練習法で、シリーズは6つに分けられています。
まず太陽礼拝から始まり、立位から座位、最終まで全70以上のポーズがある、初級という意味の「プライマリーシリーズ」と、プライマリシリーズの前半までを区切った「ハーフプライマリーシリーズ」があります。
プライマリーシリーズが出来るようになったら、後屈のポーズが多い「セカンドシリーズ」、高難度のポーズが出てくる「サードシリーズ」へと進みます。
アシュタンガヨガがはじめてという方は、ハーフプライマリーシリーズや基礎となるハタヨガから始めると良いでしょう。
アシュタンガヨガがもたらす効果
柔軟性とともに筋力と代謝もアップする
アシュタンガヨガは、通常のヨガよりもダイナミックな動きが多く、体幹が鍛えられるので筋力が上がり、呼吸と体の動きを合わせる有酸素運動の効果で、代謝アップにも期待ができます。
ハードな動きの中にストレッチ要素も多く含まれており、ゴツゴツした筋肉ではなくしなやかで引き締まった体作りを目指せます。
集中力がアップする
アシュタンガヨガでは、ポーズごとに視点が決められています。
ポーズの最中に視点を定めることで、より自分の内側に意識を向けることができるので集中力が養われます。
スタミナがつき疲れにくくなる
アシュタンガヨガを継続することで筋力が上がり、足腰が強くなり姿勢も改善されるので、結果的に疲れにくくなります。
エネルギッシュな動きで汗をかく適度な疲労感は睡眠にも良い影響を与え、メリハリのある毎日を過ごせるようになるでしょう。
ストレス発散やリラックスにも効果的
身体や呼吸への深い集中や瞑想状態に入ることで、普段の思考や雑念が取り払われ、心を落ち着かせたりストレス発散にも繋がります。
最終的に心身のリラックスへと導き、睡眠不足や悩みから解放され、毎日を活発に過ごすエネルギーをチャージできるのです。
アシュタンガヨガのポーズをご紹介
難しいポーズの多いアシュタンガヨガですが、ハタヨガのクラスなどでも出てくる基礎のポーズもあります。
プライマリーシリーズに出てくる、比較的取り組みやすい立位と座位のポーズをご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
親指をつかむ前屈のポーズ
- 両足を拳一個分か腰幅に開き、親指とマットのラインが平行になるようにセットします。
- 両手を腰に当て、息を吐きながら股関節から前屈していき、両手の親指と中指で両足の親指を巻くように掴みます。
- 脇の下を解放するように肘をやや外側に開き、手と足で引き合うようにしながら5呼吸キープします。
- 腿裏からお尻は天井方向に引き上げ、耳から肩を離しましょう。
- 目線をやや前方に向け、両手を腰に当てて息を吸いながら、上半身を起こします。
背中全体を伸ばす意識で呼吸を深め、おでこを少しずつすねに近づけます。
腿裏が伸びにくい場合は、膝を少し曲げて行いましょう。
腿裏やお尻、背中の筋肉をストレッチして全身の血行を促進するので、デトックス効果のあるポーズです。
三角のポーズ
- 両足を大きく開き、右足を90°右方向に向け、左足のつま先を20°内側に向けます。
- 両手を肩の高さで真横に開き、息を吸いながら、右手を右方向へ真っすぐ伸ばし、股関節から上半身を右へスライドします。
- 息を吐きながら上半身を倒し、右手を右足の甲かすねに置き、左手は真っすぐ天井方向に伸ばします。
- 両手は左右に広げて、目線を左手の指先に向けて5呼吸キープします。
- 息を吸いながら上半身を起こし、反対側も同様に行います。
反り腰にならないようにお腹を引き締めて行い、外側に開いた足の膝が痛くなる場合は、膝を少し曲げましょう。
下半身を強化し、胸を開くので呼吸が深まり、気分もリフレッシュできるポーズです。
座位の前屈のポーズ
- 畳んだタオルかブランケットの上にお尻を乗せ、両足を揃えて前方に伸ばします。
- 踵を真っすぐ前に向けて背筋を伸ばし、両手をお尻の横に置きます。
- 息を吐きながら、胴体の前側を長く伸ばしたまま股関節から前屈して、両手は足の脇に置くか足をつかみます。
- 吐く息で前屈が深まるようにゆっくりと呼吸を行い、30秒~3分ホールドしましょう。
- 息を吸いながら、丁寧に上体を起こします。
腰が丸くなる場合は、膝を少し曲げて行い、足の裏にタオルを引っ掛けてサポートします。
勢いをつけて行わず、呼吸に合わせてゆっくりと深めていきましょう。
腿裏やお尻だけでなく背骨を大きくストレッチするので、ストレス解消やリラックスにも効果的です。
舟のポーズ
- 体育座りのように両膝を立てて座り、お尻の横か少し後ろに手を置きます。
- お尻の少し後ろに体重をかけて背筋を伸ばし、ゆっくりと足を浮かせてすねと床が平行になる位置にセットします。
- 息を吸いながら、両手を真っすぐ前方に伸ばして3~5呼吸キープします。
- 余裕があれば、両膝を伸ばしましょう。
- 目線は真っすぐ正面に向け、耳から肩を離して背筋を伸ばし続けます。
- 息を吐きながら、両足と両手をゆっくりと下ろし、一呼吸整えます。
膝を伸ばすと背中が丸くなる場合は、膝を曲げた状態でキープするところから始めましょう。
腹筋や背骨を強化するので、姿勢改善やウエストの引き締めにも効果的です。
アシュタンガヨガはこんな方にオススメ
- 体を動かすのが好き
- 運動経験があり、体力に自信がある
- 体力アップしたい
- 集中力をつけたい
- ストレスを発散したい
- 体をシェイプしてしなやかな筋肉をつけたい
- 体も心もスッキリしたい
アシュタンガヨガは、ダイナミックでエネルギッシュなポーズも多いので、しっかり動いて汗をかきたい方や、筋肉をつけて引き締めたい方にピッタリです。
また、仕事の効率を上げたい方や、ストレスを発散してリフレッシュしたいという方にもオススメですよ。
初心者さんはハタヨガから徐々にレベルアップしよう!
アシュタンガヨガは、太陽礼拝や基礎的なポーズもあるので、初心者さんも安心して受けられます。
ただ、レッスン中は中断することなく流れるように動いていくため、体力が持続できなかったり、上手くついていけないこともあります。
体力がなかったり、ついていけるか心配という方は、まずは強度の優しいハタヨガから始めていき、身体を慣らしていきましょう。
ハタヨガはヨガの基礎的なポーズが多く、ポーズとポーズの間に少しの休憩があるので、ヨガが初めてという方にも取り組みやすいクラスです。
アシュタンガヨガに興味があるという方は、徐々にレベルアップして強度を上げていくことをおススメします。
classmallでは、朝から夜までオンラインレッスンを開催しています。
ハタヨガの他にもリフレッシュヨガや朝ヨガのクラスなど、初心者向けのクラスも数多く開催していますよ。
体と心にも、スッキリと爽快感を感じられるヨガタイムを作ってみませんか?