ヨガをする男性が増えています
サッカー日本代表の長友選手がヨガの本を出されて以来、ヨガをする男性が増えてきました。ケガ防止のために、体の柔軟性を養う目的でヨガをする人、また、瞑想の延長でヨガを始めた人もいます。男性だし体が硬いから、と諦めてしまう前に一度体験してみませんか。ヨガは平等の境地です。ヨガマットがあれば、どなたでも始められます。今は周りを気にせずに、オンラインでヨガができる時代になりました。これから始める人に知ってほしいこと、また、瞑想をしやすくするヨガポーズと呼吸法についてお伝えします。
柔軟性のあるポーズは無理をしない
ヨガは体をしなやかにするために、前屈や開脚など柔軟性を高めるポーズが多く含まれています。女性と一緒だと引け目を感じてしまいますが、女性はホルモンの影響で男性より筋肉が緩みやすいと言われています。だから気にする必要ありません。もちろん、無理をすると体を痛めるので、きついと感じたら遠慮なくチャイルドポーズ(ハラアーサナ)でお休みしましょう。
そして、ヨガは気持ち良くポーズをとることが最優先。周りを気にせず、自分の内面に意識を向けてレッスンに参加しましょう。始めはポーズに近づける気持ちで取り組んでください。筋肉が発達している人は、取りづらいポーズがいくつかあります。前屈や開脚でつらいときはひざを曲げて行い、上体を反らすときも気持ちよく感じる角度でキープします。ポーズを取りながら体が伸びる感覚を味わって、バランスポーズを取りながら自分の安定感を確かめる。体からくる感覚を受け止めて、ヨガをすることが大切です。
ヨガベルト、ブランケット、ヨガブロックを活用する
これらはプロップスと呼ばれ、道具を使ってポーズを取りやすくするものです。出来ないポーズは積極的に使って練習しましょう。ベルトは前屈などで長さを足すときに。ヨガブロックは、バランスポーズの支えやあぐらの土台になったり、また、手が届かないところに置きポーズを安定させます。ブランケットはブロックの代用として、そして、上からかけて体の冷えを防ぎます。レッスンでプロップスを利用するときは、インストラクターさんに予め相談しておくと、レッスン中に使うタイミングを教えてくれますよ。手元にないときは、長さのあるタオル、ペットボトル、バスタオルを使いましょう。
レッスン前の準備運動と足の基盤で体を整えておく
ケガ防止のために足首をまわし、アキレス腱を伸ばしておきましょう。股関節が硬い人は、仰向けでひざを曲げて、股関節を動かす意識で、ひざを大きな円を描くようにまわします。肩関節が硬い人は、両手を肩に置いて、ゆっくりとひじを大きくまわしましょう。レッスンの始めに準備運動を兼ねたポーズをとりますが、男性は女性より筋肉が比較的に発達しているので、念入りにするといいですよ。体をよくほぐすとポーズが取りやすくなります。
また、足裏の3点(かかと全体、親指と小指の付け根)に力が均等に入っているか確認し、力が入っていないところは、床に押し付ける練習をしておきます。ヨガの基盤である足裏の使い方は、立位のポーズやバランスポーズ、基本姿勢で重要です。この3点がしっかり押せるようになると、足全体が強くなります。
ヨガのポーズで瞑想を入りやすくする
マインドフルネス瞑想でうまくいかないときは、ヨガをして瞑想する方法もあります。ヨガのポーズや呼吸法は、もともと瞑想をするために生まれた手法です。ポーズで体を緩めながら、自分の内側に意識を向かせ、呼吸法で息を整えて心も落ち着かせます。そして、最後に瞑想。ヨガを実践している人はこの一連の流れでしています。
瞑想しやすい体に整えるには以下のポーズをしましょう。軽く体をほぐすとあぐら(スカーアーサナ)がしやすくなります。
座位の体側を伸ばすポーズ
- あぐらの姿勢で、息を吸いながら背筋を伸ばす(反り腰に注意)
- 右手を上げて、息を吐きながら体を左真横に倒す。その状態で数回深呼吸する。
- 次の息を吸うタイミングで上体を起こし、右手を下ろして背筋を伸ばす。
- 左手を上げて、息を吐きながら体を右真横に倒す。その状態で数回深呼吸する。
- 次の息を吸うタイミングでゆっくり上体を起こす。左手も下ろす。
キャット アンド カウ(背中のコリをほぐす)
- 四つ這いになり、両手は肩の真下、両ひざは骨盤の下に置く。
- 息を吐きながら背中をゆっくり丸め、おなかを引き上げ、肩甲骨を広げる。目線はおへそへ。
- 息を吸いながら背中をゆっくり反らせ、胸を前に出し、目線は斜め前へ。
- 手順2~3を数回呼吸に合わせて行う。吸う息のタイミングで上体を床と並行に戻す。
がっせきのポーズ(股関節を伸ばす)
- 足を前に出して座り、足裏どうしを合わせる。
- 両手で両足を持ち、ひざを上下にバタバタと動かし、股関節をゆるませる。
- 動きを止めて、ひざの重みで股関節を伸ばす。その状態で数回深呼吸する。
- ひざが浮く場合は、ヨガブロックをひざの下に置く。
- ゆっくり足を前に出して、長座の姿勢に戻る。
瞑想をするときは、ヨガマットの上に、ブランケットや厚めの座布団を置いて座りやすくします。また、あぐらで足がしびれる人は、足先にもブランケットや座布団を敷いて、少しひざの角度を広げるとしびれが幾分和らぎます。あぐらができない人は、椅子に座って瞑想をしてもかまいません。
瞑想する前の呼吸法
呼吸を整えると自律神経が整うので、穏やかな気持ちのまま瞑想に入れます。呼吸法は新鮮な空気の中で行うのが最適です。予め部屋の換気をしておきましょう。食後2時間以上たってから、反り腰に気を付けて背筋を伸ばして行います。
片鼻呼吸(アヌローマ・ヴィローマ)
ナーディ・ショーダナともいい、片鼻で息を吸って片鼻で息を吐く呼吸法です。数回行うと鼻の通りがよくなるので、頭がスッキリします。呼吸のテンポは4秒で吸い、4秒で吐きます。
*準備*
- 右手の薬指と小指をくっつけ、中指と人差し指を内側に曲げ、親指は伸ばす。
- 親指で軽く右の小鼻の上に添え、薬指と小指で左の小鼻の上に添える。
- 中指と人差し指は、眉間に置く。(右手で鼻をふさがない)
*手順*
- 右手を鼻に置いた状態で、ゆっくり深呼吸を2,3回する。
- 一度息を吐き切ったら、親指で右の鼻を軽くふさぎ、左の鼻から4秒で吸う。
- 吸いきったら、薬指で左の鼻を軽くふさぎ、右の鼻から4秒で吐く。
- 息を吐き切ったら、右の鼻から4秒で吸う。
- 親指で右の鼻を軽くふさぎ、薬指を離して左の鼻から4秒で吐く。
- 息を吐き切ったら、左の鼻から4秒で吸う。
- 3~6の手順を繰り返し行う。
- 左の鼻から息を吐ききったら両手を離し、自然呼吸に戻る。
左の鼻で息を吸って、右の鼻で吐き、右の鼻で息を吸って、左の鼻で吐く。この呼吸を5回繰り返しします。慣れてきたら、徐々に回数を増やしましょう。途中で苦しくなったり、イライラする感情が出てしまったら、慌てずに自然な呼吸に戻ります。このほかにも、カパラバティ、ウジャイという呼吸法もありますが、体調によってできないことがあるので、初心者向けではありません。まずは、片鼻呼吸から始めるのがおすすめです。
太陽礼拝で瞑想する
太陽礼拝は、決まったポーズを呼吸に合わせて繰り返し行うので、動く瞑想と言われています。難しいポーズはないので、練習して動きを覚えたら、日々の瞑想の一つに加えてみてはいかがでしょうか。今日は動きたいと思ったら、太陽礼拝で心や体が感じることを受けとめてみます。ポイントは1呼吸1動作です。ポーズがとれるようにゆっくりと深い呼吸で行ってみましょう。年末に、太陽礼拝を108回するイベントを見かけます。興味があったら是非チャレンジしてください。
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