骨盤の左右差につながる仙腸関節
骨盤調整ヨガに関わる仙腸関節。骨盤のゆがみは、普段の姿勢や体の使い方で筋肉がアンバランスになり、骨盤の左右にズレが生じていると言われています。脚を組んで座る、カバンを片方の肩だけにかけるなど、そういった習慣が、仙骨関節に負担をかけているかもしれません。
今回は、仙腸関節について解説します。また、仙腸関節を間接的に調整するポーズも紹介しています。
骨盤の歪みが気になる方はぜひご自身の骨盤の左右差を確認して、ヨガで仙腸関節を整えましょう。
仙腸関節とは
仙腸関節は、骨盤の中心部分にある仙骨と、その左右隣にある大きな骨、腸骨の間にあります。下半身と上半身をつなぐ重要な関節です。お尻の割れ目の上に片手を置いたところが仙骨で、その親指と小指の側面に仙腸関節があります。この関節は、他と異なり可動域が狭く、2〜3ミリしか動きません。その隙間で上半身の重さや地面からの衝撃を和らげています。
ただし、片方だけ過剰に負担をかけたり、体の使い方に偏りがあると、その周辺の筋力がアンバランスになり、骨盤の左右差が生まれると言われています。以下のような体の使い方は気を付けたいところです。
- 気が付くと片足に重心を乗せて立っている
- 無意識に横座りしていたり、脚を組んで座っている
- 同じ手で荷物を持ち続けている など
また、女性の場合、妊娠や出産で仙腸関節の周りの靭帯が緩んで産道を広げます。その靭帯が緩んだことにより、骨盤が不安定になることもあるようです。
仙腸関節の動きをチェック
以下にあてはまる方は、骨盤回りの筋力や柔軟性に偏りがあるかもしれません。気になる人は確認してみましょう。
- 左右の骨盤の出っ張り(腸骨稜)の位置に左右差がある。
- 片足立ちになり、ひざを曲げて足を持ち上げると左右に差が出る。
- ハイランジや戦士のポーズ1番で、片方の後脚が伸ばしにくい。
- 立位のポーズで、片方の前脚のひざが曲げにくい。
動かすと痛みを感じたら医療機関にご相談ください。また、すでに腰痛がある人や、お尻や太ももの付け根が痛く、片方のお尻を浮かして座ったり、片側しか寝返りができない人は、関節痛を引き起こしている可能性があります。無理をせずに専門医にご相談してください。
仙腸関節の動きを調整するヨガポーズ
仙腸関節の動きを調整するポーズをいくつか紹介します。
柔軟性を要するものもありますので、柔軟に不安がある方は、長めのタオルやヨガベルトをご準備ください。また、お風呂上がりなど体が温まっているときに行うのがベストです。体が冷えた状態ですると、筋肉を傷める場合があるのでご注意ください。ポーズを取っているときは気持ちよく伸ばすことが大切です。無理は禁物です。腹式呼吸でゆっくりとしたペースで行いましょう。
半分のカエルのポーズ
太ももの前側、ももの付け根を伸ばすポーズです。
腰に不安がある人はうつぶせで行いましょう。余裕がある人はひじをついて、腹筋を使って腰を守りながらポーズを取ります。
- うつぶせになり、あごの下に両手を置く。
- 吐く息に合わせて右ひざを曲げ、かかとをお尻に近づける。
- 右手で右足の甲を持ち、さらにお尻に近づける。その状態で数秒キープする。
- 次の息を吸うタイミングで右手を外し、右足を下ろします。
- 反対側も同じように行う。
針の穴のポーズ
ももの外側、お尻を伸ばすポーズです。
片足を乗せている足の太ももを近づけたり、乗せている足のひざを外側に開くほど伸ばす強度が増します。少しずつ調節しながら行いましょう。お尻がこっている人には気持ちよく感じるポーズです。
- 仰向けになり、左ひざを曲げる。
- 右足首は曲げ、足先を立てたまま (フレックス)、左ひざに乗せる。
- 右手は左ももの内側から手をまわし、両手で左ももの後で組む。
- 息を吐きながら、ゆっくり左脚を上体に近づける。
- 呼吸を忘れずに、この状態を数秒キープ。
- 次の吸う息で、両手を外して右足も下ろす。
- 反対側も同様に行う。
仰向けで足の指をつかむポーズ ⇒ 仰向けでねじって脚を倒すポーズ(ワニのポーズ)
足裏全体、お尻を伸ばすポーズです。
柔軟が不安な人は、タオルやヨガベルトを準備します。仰向けで足を上げ、両手で足先をつかんで体に引き寄せ、その後、足を反対側の体側に倒します。この時、肩甲骨は床にピッタリついていることを意識しましょう。横に倒すときは足を床に近づけるよりも、肩甲骨が浮かないところで上げている足をキープします。
- 仰向けの状態からゆっくり右足を上げる。
- 足首は曲げてフレックスにして、左足全体で床に押し付ける。
- 息を吐きながら右足を倒し、上体に近づけ、両手で右足の裏をつかむ。
- 足がつかめないときは、タオルの両端を手で持ち、右足の裏にタオルをひっかけて行う。
- この状態で数秒キープし、右足の裏全体を伸ばす。目線は上を向く。
- 次の息を吸うタイミングで、右手は外して下ろし、肩の位置で右手を広げる。
- タオルをひっかけて伸ばしているときは、両端を左手に持ち替える。
- 息を吐きながら、ゆっくり左側に足を倒す。 目線は上を向く。
- 右側の肩甲骨が浮かないところまで右足を倒し、その状態を保ちながら、数回呼吸する。
- 息を吸いながら、ゆっくりと手と足をほどき、仰向けの姿勢に戻る。
- 反対側も同様に行う。
片足を伸ばしてねじるポーズ
このポーズは太ももの裏側と体側を伸ばします。
上体を横に倒す角度と、倒す側の手のつく位置を変えると強度が変わります。まずは横に開いた足の内側(ひざの内側辺り)に手を置きます。さらに深めたいときはふくらはぎの内側に。もっと深めたいときは手で足の指先をつかみます。
- 長座の姿勢から右足を横に出す。角度は自然に開くところで。
- 左ひざを曲げ横に倒し、左のつま先を右の太ももの付け根につける。
- 右手の位置はつきやすい所 (ひざやふくらはぎの内側、足先) に置く。
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、左手を上に伸ばす。
- 息を吐きながら上体を右側に倒し、体側を伸ばしながら左にねじる。目線は上に向ける。
- この状態を深呼吸しながらキープする。余裕があれば左手を足先に近づける。
- 次の吸う息のタイミングで、上体をゆっくり起こし、長座の姿勢に戻る。
- 反対側も同様に行う。
上体を倒す角度は、体側や太ももの裏側が伸びていると感じるところまで。つらく感じる角度まで倒す必要はありません。足を横に開くことが難しいときは、足を開く角度を狭くします。
お尻のマッサージもしておこう
お尻を伸ばすポーズが多いので、お尻の筋肉・大殿筋をほぐしておくと、お尻のつまりがとれポーズがしやすくなります。
- 両手を骨盤の真後ろに置く。手のひらで押しながらお尻全体を揺らす。
- 次に握りこぶしを作り、軽く押しながら中央から外へ少しずつずらす。
- 骨盤の出っ張っているところから始め、徐々に下げて行う。
- 筋肉がこわばっているところは、数回押してほぐす。
握りこぶしの力の加減は、痛気持ちよく感じるところまでです。無理にゴリゴリ強く押す必要はありません。出来たら、太もも全体を手でさすったり、両手で左右に動かして太ももをゆらしましょう。リラックスした状態でポーズを取ることを心掛けてください。
もっと、骨盤調整がしたくなったら
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お尻や骨盤の下に違和感を感じたら、骨盤がずれかけているかもしれません。どの筋肉も使わないと衰えてしまいます。気になったらヨガのポーズをして、しなやかで強い筋肉を作っていきましょう。