出産後の身体の整え方
約10ヶ月、お腹の中で我が子を育て出産を終えた女性の身体へのダメージは「交通事故レベル」と言われています。妊娠時には靱帯が緩み、出産時には命がけで我が子を外の世界へ。そして産後には、ボロボロの身体でノンストップの育児が待ち構えています。我が子に会えた喜びで痛みも吹き飛ぶ・・・。とよく耳にしますが、実際のところ産後は疲労困憊。ところが「母は強し」という言葉の如く、頑張り過ぎている女性が多いのが現状です。
妊娠中から産後は、体重や見た目の変化だけでなく、腰痛などの痛み、気持ちの面など多くの変化が心身に起こります。そのまま放っておくと、数年後に身体のトラブルが出てきたり、産後うつになってしまうことも。
実際にどのような変化が起こっているのか、見ていきましょう。
妊娠期から産後に起こる変化とは
産後の様々なトラブルや症状は、産んだ後に始まるものではなく、妊娠期から始まっています。妊娠中には、元々こぶし1個分ほどだった子宮が、赤ちゃんの成長と共に約20倍にも大きくなります。また、出産に向けて体内ではホルモンの分泌が行われ、骨盤周辺の筋肉や関節が緩んでいきます。このような体重や体型、ホルモンバランス、生活スタイルの変化などにより、様々なマイナートラブルを感じることも。
- 姿勢の崩れ
- 呼吸が浅くなり猫背になる
- 肩こり腰痛や恥骨痛・股関節痛
- 頻尿・尿漏れ
- 気持ちの浮き沈み・イライラしてしまう
- 不眠・寝不足
個人差がありますが、上記のような身体の変化が1つや2つ、または全部・・・といったように心身へ影響をもたらします。
まずは身体を休めることが第一!
産後、6~8週間を「産褥期(さんじょくき)」と言い、妊娠前の状態へ回復していく為の時期を表します。つまり、産褥期は身体を休ませることが第一優先!この時期に無理に身体を動かしすぎたり、お腹に力を入れすぎてしまったりすると回復が遅れてしまいます。その結果、不調やトラブルに繋がることも。まずは回復を意識し、赤ちゃんのお世話以外のときは、横になり心身を休めてあげることが大切です。
産後6~8週間を過ぎると、子宮の大きさやホルモン分泌が少しずつ落ち着いていきます。
- 普通分娩・・・産後1ヶ月
- 帝王切開・・・産後2ヶ月
を目安に少しずつ身体を動かしていきましょう。産後の肥立ちはそれぞれ個人差がありますので、出産後の1ヶ月検診などでお医者様へ確認してから始めると安心です。
出産後の最初の運動には「産後ヨガ」がピッタリ
ヨガでは呼吸に合わせて様々なポーズを取ることで身体を整えたり、鍛えたりすることができます。この「呼吸」が産後の身体にはピッタリ!普段生きるために当たり前にしている呼吸、この無意識で行っている呼吸動作を意識して行うことで様々な効果を実感できます。
深い呼吸を行うことでインナーマッスル(腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群、多裂筋)に刺激を与え、身体の土台から整います。また、育児をしていると授乳や抱っこなど背中が丸まりやすく姿勢が崩れがち。ヨガのポーズは、産後の身体に無理なく刺激を与えるので、気持ち良く身体が伸びます。いきなりハードな運動は負担が大きいですが、自分で強度を選ぶことのできるヨガは産後の運動におすすめです。
産後ヨガで実感できる効果
- 出産時に損傷した骨盤底筋群や腹部を鍛えられる
出産時、赤ちゃんが産道を通る時に骨盤周辺の筋肉や靱帯が緩み、損傷します。産後ヨガでは骨盤周辺の筋肉や腹部の筋肉を、無理なく鍛えることができ、身体の中心部分である骨盤周辺を鍛えることで産後のトラブルも減らすことができます。 - 腰痛や肩こりなどの痛みのトラブルが解消
産後ヨガでは、股関節を柔らかくするポーズや、胸を開き肩甲骨を動かすポーズなど、腰痛や肩こりといった産後の悩みを解消するポーズを行います。ほどよく動かすことで産後の身体を無理なくケアできます。 - 自律神経が整い、リラックスできる
深く呼吸を繰り返すことで自律神経が整います。その結果、気持ちが落ち着いたり、前向きになると言われています。産後はホルモンバランスの急激な変化により、些細なことでイライラしてしまったり、余裕がなくなることも。そんな時に産後ヨガを行うことで、リラックスすることができますよ。また、夜寝る前に行うことで、呼吸が安定し眠りの質の向上にも繋がります。
1日1ポーズから!産後ヨガおすすめポーズ
産後のママは自分時間の確保が難しいですよね。30分や1時間などまとまった時間が取れなくても大丈夫!空いた時間に1日1ポーズからできる、産後ヨガのポーズをご紹介します。
シャバアーサナ
- 仰向けになり、両足を肩幅に広げる
- 両手は身体の脇で手のひらを上に向け、全身の力を抜く
- 目を閉じ、鼻から息を吸い口から吐き出す(腹式呼吸)
- 腹式呼吸を繰り返しながら全身の力を抜きリラックスする
- 5~10分ほど重力に身を任せて自然な呼吸を行う
シャバアーサナはヨガのクラスの最後に行うことが多いポーズです。呼吸に集中し、身体の力を抜くことで、心身の疲れやイライラ、焦りといった様々な感情をクリアにして自分と向き合うことができます。赤ちゃんが寝ている時間や、家族に見てもらえる時間にリラックスできる音楽をかけて行うと、肉体的にも精神的にも疲れが取れ、スッキリしますよ。
橋のポーズ
- 仰向けになり、両膝を立てる
- 両手は身体の脇で手のひらを下にする
- 息を吐きながらお尻を締めるように力を入れる
- 息を吸いながらゆっくりとお尻を持ち上げる
- 余裕がある場合は、身体の下で両手を組み肩甲骨を寄せる
- 数回呼吸を繰り返しながらキープ
- 手をほどき、ゆっくりとお尻を床に近づける
橋のポーズは、腹部の引き締めや骨盤の安定に効果があります。最初にお尻を締めるように力を入れることで骨盤底筋群に意識が入りますよ。⑤は無理せずに行いましょう。また、両手を組む場合には、組んだ腕で床を押すようにして胸を開くとgood!
ガス抜きのポーズ
- 仰向けになり、両足を真っ直ぐ伸ばす
- 両手は身体の脇で手のひらを下にする
- 両膝を立て、息を吐きながら脚を胸に引き寄せる
- 両手で抱え込み、呼吸を繰り返す
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
ガス抜きのポーズは自律神経を整え、整腸作用が期待できます。また腰周りの筋肉を伸ばすことができるので腰痛で悩んでいる方にピッタリです。③④の時には、肩が床から離れないように背中を床につけたままポーズをキープすることがポイントです。
牛面のポーズ
- 正座またはあぐらで座る
- 息を吸いながら右腕を頭上へ、左腕を体側へ伸ばす
- 息を吐きながら背中で両手を組む
- 息を吸いながら胸を広げるように目線を斜め上へ
- 数回呼吸を繰り返しながらキープ
- ゆっくりと手をほどき両腕をおろす
- 反対側も同様に行う
牛面のポーズは肩甲骨周りをストレッチすることができるポーズです。抱っこやおむつ替え、授乳等で背中が丸まった姿勢が続くと背面の筋肉はカチカチに硬くなってしまいます。肩甲骨を寄せ、胸を開いた状態をキープすることで肩周りや背中がスッキリしますよ。
また、両手を組むことが難しい場合には、タオルを使って行いましょう。上の手でタオルを持ち、下の手でタオルを掴みます。徐々に掴む距離を縮めながら行ってみましょう。
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「泣いてしまったらどうしよう・・・。」「赤ちゃんの着替えやおむつに加えて自分の運動の荷物も・・・」といった心配を気にせずに、自宅で自分のペースでヨガを受けることができますよ。
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産後ヨガでココロもカラダも前向きに
産後は赤ちゃんのお世話や、家事などに追われて「自分時間」を失ってしまいがち。疲労が溜まり、心身ともに疲れ切ってしまう前にヨガでココロとカラダを整えましょう。産後ヨガのポーズや時間を楽しみながら、先生と会話することで産後ママにとって嬉しい「大人と話す時間」にも繋がります。
今まで運動をしたことがない方も、ヨガは初めて・・・という方も大丈夫!1日短い時間でもポーズを行うことで、筋肉に刺激が入ったり、気持ちが落ち着いていきます。更に継続して行うことで、「身体が柔らかくなった」「姿勢が良くなった」「骨盤周りが引き締まった」といった身体の変化も感じることができます。ご自分の体力や生活リズムに合ったレッスンをclassmallで見つけてくださいね!