古来のヨガポーズにはなかった開脚
開脚は足のだるさとむくみを軽減したり、美脚につながると言われ、習得したいポーズの一つとして人気ですね。
その反面、脚の筋力としなやかさが要求されるので、股関節やお尻、脚の筋肉を傷める危険性も含んでいます。今回は、改めて開脚について気を付けてほしいこと、ポーズのバリエーションなどをまとめてみました。
縦の開き、横の開きで筋肉の使い方も変わります。使う部位を観察するように、丁寧に動かしながら練習してみましょう。
練習をする前に気を付けること
体が冷えた状態で行わない
股関節だけでなく、周辺の筋肉を動かして準備運動をしましょう。ケガ防止のために使う筋肉を慣らしておきます。お尻や足、股関節など、以下のポーズで少しずつ伸ばし、マッサージでほぐします。柔軟性の高いポーズは、お風呂上がりに行うのが最適です。体が冷えないうちに練習しましょう。
- 太ももの裏側、ふくらはぎを伸ばすポーズ: 前屈、ダウンドックなど。
- 股関節、お尻、ももの外側を伸ばすポーズ: がっせきのポーズ、花輪のポーズ、寝たハトのポーズなど。
- 太ももの前側を伸ばすポーズ: 仰向けの割り座のポーズ(片足で)、三日月のポーズなど。
- 太ももの内側を伸ばすポーズ、マッサージ: 女神のポーズなど。内側のお肉をゆすって軽くつまむ。
そして、骨盤は後傾しないように下腹部に力を入れて開脚をします。横開脚は、骨盤が後傾していると腰がつまりポーズを妨げます。また、前後開脚は、骨盤の左右の高さ、前後にズレがあると腰痛の原因にもなります。骨盤の正しい位置を意識してポーズをとりましょう。
180度開脚は骨格上できない人もいる
180度横開脚は憧れですが、股関節にある 大腿骨頭 と 寛骨臼 の形により、可動域は人によってまちまちです。そのため、人によっては180度まで開かないことはあります。自分はできると過信せずに、体と相談しながら少しずつ角度を広げてください。無理をすると股関節回りの筋肉を傷める危険性があるので、少しでもいつもと違う痛みを感じたら練習を止めて、医療機関に行くことをおすすめします。
横開脚は易しいポーズから
柔軟が苦手だけど日々の努力でかなえたい人は、まずは易しいポーズから足を慣らして、段階的に完成形を練習していきます。また、骨盤が固定されるとポーズが取りづらくなります。立位の開脚と座った開脚の場合、立位のほうが骨盤は動きやすいので難易度が下がります。まずは立位のポーズから行い、手や頭が床に着くようになってから、座ったポーズへ移行するのもひとつの方法です。
横開脚のポーズ
どのポーズもレッスンで一度は経験したことがあると思います。中級のレッスンでは、サンスクリット語でポーズ名を言われることがあるので、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか。
立位の前屈のポーズ
比較的開脚がしやすい、立って前屈をするポーズで、「プラサリータ パードッターナ」とも呼ばれています。上体を倒すときは、背筋が伸びたまま股関節からゆっくりと前屈します。手が床に届かない人は、ブロックを使って手をつく場所に置きましょう。
ねじった立位の前屈のポーズ
立位の前屈から上体をひねったポーズで、「パリブルッタ プラサリータ パードッターナ」とも呼ばれています。上半身をねじって太ももの内側の柔軟性を高めていきます。ウエストをねじるので、くびれを作りたい人にもおすすめです。前屈がしづらい時は、手の位置にヨガブロックやペットボトルを置いてしましょう。
開脚のポーズ
別名を「ウパヴィシュタ コーナ アーサナ」と言い、最も基本的な開脚です。お尻や太ももの裏側がかたい人は、お尻の後ろ半分に座布団やブランケットを敷くと、骨盤が前に傾きやすくなります。また、足を開くときは、無理せず8割程度にしましょう。前屈をするときは、ももの付け根を後ろに引くと上体が倒しやすくなります。骨盤回りの血行をよくすることで、子宮や卵巣の機能が高まる効果も期待できるポーズです。
180度開脚
「サマコーナ アーサナ」とも呼ばれる、足を左右真横に開いた180度開脚のポーズです。最上級者向けのポーズ。骨格で出来る人が限定されるので、開脚のポーズで様子を見てから行いましょう。サンスクリット語でサマは「同一の」「平らな」を意味します。
体側を伸ばす開脚のポーズ
「ウパヴィシュタ パールシュヴァ コーナ アーサナ」とも呼ばれる、開脚したまま片足の方向に上体を傾けて前屈をするポーズです。ねじるときは、上体を倒す側の足の内側、もしくは、足先に手を置いてねじりながら上体を倒します。反対側の手は上か足先に伸ばします。
亀のポーズ
「クールマ アーサナ」とも言われる、開脚の下で両手広げて前屈する亀のポーズ。肩の柔軟性も必要とする上級者向けのアーサナです。足を開いてひざを曲げ、両手を太ももに下でくぐらせてから、両かかとを押して足を伸ばします。開脚の角度は90度ぐらいでかまいません。
前後開脚のポーズ
横開脚よりポーズ数は少ないですが、前後開脚の準備ポーズを含めると4つあります。
半分の猿神のポーズ
別名を「アルダ ハヌマーン アーサナ」と言い、前後開脚をするときに準備ポーズとして行います。四つ這いから片足を前に出し、前足つま先を上げ、足の裏全体を伸ばします。足裏が硬い人は上体を起こしてからしましょう。
猿神のポーズ・前後開脚のポーズ
別名「ハヌマーン アーサナ」と言います。前後開脚をするときは、骨盤を起こし正面に向かせ、前脚を徐々にずらしながら前後に足を開いていきます。両手は必ず床に着きましょう。お尻が床に着かないときは、両手にブロックを持ち、お尻の下にブランケットを敷いて、高さを出してから行います。無理に開くと太ももやふくらはぎを痛めるので、徐々に伸ばすように練習しましょう。
片脚を上げた前屈のポーズ
「ウールドヴァ プラサリータ エーカパーダ アーサナ」とも呼ばれる、片脚を上げた前屈のバランスポーズです。脚の角度は真上でなくてもかまいません。両手は足の前に置き、自分のできるところまで脚を上げます。上げる脚の太ももを内側に回しながら行いましょう。お尻や太ももを使うので筋肉も同時に鍛えます。そして、頭を下にするので血流も促進されます
トカゲのポーズ・謙虚な戦士のポーズ
このポーズは「シーラングシュタ アーサナ」とも言い、前後開脚をする前によく行います。前足はひざを曲げていますが、かがみながら脚を上下に開いていきます。後ろ足のかかとを強く押すとひざが伸びやすくなります。四つ這いでかがむとき、前足と手を押し合うと、おなかに力が入りポーズが安定します。まずは両手のひらを床に着いて、余裕があるときは、両ひじを床に着いて行いましょう。後ろ足のお尻と足全体、股関節を伸ばすポーズです。
開脚のポーズ練習は、一度レッスンに参加してから
開脚は下半身の柔軟性を求めるポーズです。柔軟性が足りないと感じるところがあったら、一度レッスンに参加して、自己練習に必要なポーズを覚えましょう。
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開脚は注意が必要ですが、日々の練習でできるポーズです。まずは、足のむくみ解消と足の疲労回復に始めてみませんか。