ダンダーサナ(杖のポーズ)とは?
ダンダーサナは、「長座」や「杖のポーズ」と言われるポーズです。両足を前に出して坐骨で床を押すポーズで、集中力の向上などに効果があります。
サンスクリット語や英語では、以下のように呼ばれています。
- サンスクリット語:ダンダーサナ/ダンダ・アーサナ/Dandasana
- 英語:Staff pose
「Danda」は体を支える背骨を表し、英語では「杖」と訳されています。ヨガのレッスンでは、ダンダーサナや長座と耳にすることが多いでしょう。
ダンダーサナを行うには、背筋を伸ばす力と下半身の柔軟性が必要です。簡単だと思われるかもしれませんが、実は意外とできない方も多いポーズなのです。
ヨガの基本となるポーズです。効果やポイントを抑えて、ぜひ挑戦してみてください。
ダンダーサナ(杖のポーズ)の効果とは?
まずは、ダンダーサナ(杖のポーズ)の効果について見ていきましょう。
姿勢を整える
坐骨で床を押して、背筋を伸ばすダンダーサナは、背中を引き延ばし、姿勢を良くする効果が期待できます。
普段から猫背で背中を丸めていると、背筋を伸ばす筋力や支えるお腹の筋力が弱まりがち。しっかりとポーズをキープして、背骨まわりやお腹まわりの筋力を鍛えましょう。
体幹の強化
背骨自体を支えるインナーマッスルを鍛えるダンダーサナは、体幹の強化にもつながります。体幹を鍛えることで、転びにくくなったり、歩きやすくなったりとする効果が期待できるでしょう。
インナーマッスルは、見た目的には見えない筋肉ですが、健康でいるためには重要な役割を果たす筋肉です。
集中力を高める
ダンダーサナは、意外にも全身を使うポーズです。細部に注意を払うことで、集中力が養われます。深い呼吸を行うことができるので、落ち着きたい時などにも効果的なポーズと言えるでしょう。
骨盤まわりを整える
しっかりと背筋を伸ばして座るには、骨盤の位置が重要になります。腰が反っていたり、背中が丸まっていては、背筋を伸ばしにくいです。両坐骨がしっかりと床にあることで、骨盤まわりの左右のバランスを整える効果が期待出来ます。
腰痛の緩和
下半身の柔軟性向上や、背筋を伸ばす筋力アップは、腰痛の予防や緩和にも効果的です。腰に痛みがある方は、椅子に座り背筋を伸ばすことから挑戦してみると良いでしょう。
腸腰筋の強化
床に座り、両足を前に伸ばしながら、ももを引き寄せるためには腸腰筋を使います。腸腰筋は、骨盤と大腿骨を結ぶ重要な筋肉です。歩くときに足を前に出す動作で必要となります。つまづきやすくなったと感じている方は、腸腰筋が弱っているかもしれません。ダンダーサナで鍛えてあげると良いでしょう。
ダンダーサナは、今まで意識を向けなかった骨盤まわりのインナーマッスルを感じることができるポーズです。身体を支える力を鍛えることで、疲れにくい身体となるでしょう。
ダンダーサナのやり方を覚えて、ヨガのレッスンに活かしてみてください。
ダンダーサナのやり方とコツをインストラクターが徹底解説
ダンダーサナには、気を付けるポイントがいくつかあります。下半身から順にポーズに入っていくと良いでしょう。
- マットに両足を伸ばして座る
- お尻のお肉をかき分けて、坐骨を安定させる
- 両足のかかとを蹴り出し、足に力を入れる
- つま先は天井に向ける
- 前ももに力が入るのを確認する
- 吸う息で背筋を伸ばす
骨盤が後傾・前傾していないように調整をしてしっかりとポーズをキープしていきましょう。 - 吐く息で下腹部を引き込む
お腹を凹ませると自然とももの付け根が安定します。 - 吸う息でもう一度背筋を伸ばす
- 目線を正面にする
- 両手は身体の横において、必要なら床をおす
- 5呼吸キープする
ポーズから抜けたら、背中を緩め軽く前屈をしましょう。緊張した筋肉を緩ませることができます。
下腹部を引き込むことで、腸腰筋が働き、股関節を寄せることができます。
股関節を寄せるというのは、大腿骨を股関節にはめるこということです。骨が関節にハマることで、安定していると身体が判断し、余計な緊張が抜けてくれます。前屈や開脚前屈などのときにも必要となる感覚なので、ぜひ感じ取ってみてください。
股関節を寄せるってどういうこと?という方は、ももに力が入っていることに意識を向けてあげると良いでしょう。続けていくことで、股関節の感覚を掴むことができるようになってきます。
ぜひ挑戦して見てください。
ダンダーサナ(杖のポーズ)ができないときの対処法
腰まわりやハムストリングなど背中側が硬い人は、骨盤が後ろに後傾したり、ひざの裏に痛みが出たりと、杖のポーズのキープが難しい場合があります。
その場合は、無理をせずにひざを曲げて行いましょう。
かかとを蹴り出す力や股関節を引き寄せる動作は、ひざを曲げていても同じようにできます。
また、長めにキープするときは、ひざの下にブランケットやクッションを置いてあげると良いでしょう。お尻の下にクッションを置いて高さを出してあげるのもおすすめ。下半身を少しづつ柔らかくしながら、徐々にひざを伸ばせるようになるのがベストです。
自分の骨盤後傾しているかどうか分からない人は、壁を背にして座ってみましょう。
壁に接するのは、「仙骨・胸の後ろ・後頭部」です。腰が壁に触る人は骨盤が後傾しているかもしれません。また、胸の後ろがあまりつかない人は背中が反りすぎています。
ただ背中を真っ直ぐにすると言っても、自分の思っている感覚とは違うかもしれません。壁に接するのは、自分の正しい姿勢を確認するのにもおすすめです。ぜひ試してみてください。
「下半身が硬くて、なかなか長座ができない…」という方は、ストレッチを取り入れましょう。こちらの記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてください。
ダンダーサナ(杖のポーズ)のバリエーションとは?
次に、ダンダーサナ(杖のポーズ)のバリエーションポーズをご紹介します。ダンダーサナに慣れてきたら一緒に挑戦してみてください。
バリエーション1:両手を上にあげる
背筋を伸ばしながら両手を耳の横に上げます。上にあげられない人は、持ち上げられるところまでで構いません。両手をあげることで背筋まわりの筋力もUP。姿勢を良くしたい人におすすめです。
バリエーション2:両手の下にブロックをおく
両手は身体の横で床を押しますが、マットに届かない場合もあります。ブロックで補助したり、カップハンズ(手のひらをカップのようにして指先でマットを押す)にしてあげると良いでしょう。
上級者なら、お尻と足を浮かせてポーズをキープしてみても良いでしょう。ももを引き寄せる力もより感じられるポーズです。手首を痛めやすいので、注意して行ってください。
それ以外には、ダンダーサナから前屈(パスチモッターナーサナ)につなげたり、両手を後ろに置いてお尻を持ち上げる上向きのプランクのポーズ(プールヴォッターナーサナ)へと繋げたりすることが多いです。
ぜひ挑戦してみてください。
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簡単に見えて、細部を感じながら行うと意外と難しいダンダーサナ。姿勢をキープする筋力を養い、下半身の柔軟性を得られるポーズです。ヨガの基本となるポーズなので、どのレッスンでも出てくる可能性があります。
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