そのポーズ、腰を使って無理に体を反らしていませんか?

体を反らすポーズについて

体を反らすポーズがあるヨガ。後屈のポーズは前向きな気持ちになり、交感神経を活発にさせ体が活動的になります。その反面、間違った体の使い方をしていると腰に負担をかけてしまいます。そして、ヨガの効果も半減します。

後屈のポーズで頑張って腰をそらしすぎていませんか。楽しんで続けているヨガを長くお休みしないように、腰を守る後屈のしかたを覚えて、ポーズの練習をしていきましょう。後屈は体の使い方一つでポーズが深まります。ご自分の体の使い方のクセを知れば、もう大丈夫ですね。また、女性に多い反り腰さんについても、その解消方法も併せてお伝えします。

上体を反らすときのポイント

後屈は、腰を使って背中をくの字にするイメージがあると思いますが、それは間違った体の使い方をしています。正しい反らしかたをしていると、背中を後ろに伸ばす感覚を持ちながら後屈をしています。ポイントは以下の2つに気を付けることです。実践すると腰の負担が軽く感じられます。

腹筋、下腹部を使っていない

上体を反らすとき、体の前側の筋肉は使っていますか。おなかから太ももの前側を強くして体を反らせないと、負荷が分散されずに腰に集中してしまいます。

  1. ラクダのポーズ、三日月のポーズなど、体が正面を向いているときは、ももの付け根を力強く前に押し出します。
  2. コブラのポーズやバッタのポーズなど、うつぶせから始めるときは、恥骨と下腹部を床に押しつけます。
  3. ブリッジやワイルドシングスなど、上に向けて後屈するときは、ももの付け根と下腹部を上に突き出します。

下腹部の力を入れる練習として最適なのは、ラクダのポーズです。両太ももの間にヨガブロックや分厚い本を挟み、本を落とさないようにしてももの付け根を強く押し出します。手を腰に当てて、腰で反らしていないか確認します。

胸を開いていない

胸を開くことは背骨の胸椎を反らします。両腕を外側に回して肩甲骨を寄せる動きで胸を開きます。肩甲骨の間を後ろから押されて胸が開くイメージを持つと、さら胸が広がります。
デスクワークの人は肩が凝り固まっているので、空いた時間に両腕を外側に回すだけでも、肩を引く動きがスムーズになります。さらに、肩甲骨を寄せたい人は、以下のことをしておくと肩甲骨が寄りやすくなります。

  1. 背筋を伸ばして、下腹部を使って骨盤を起こす。
  2. 両手を前に出して、ひじを曲げて脇を締める。
  3. 両手を外側からゆっくり回し、肩甲骨を寄せる。

肩こりがひどい人は、この動作をいきなりすると筋肉に負担がかかるので、軽く肩をゆっくり回し、動かしてからおこないましょう。

なお、後屈のポーズのあとに前屈をすることがありますが、これは、カウンターポーズと呼ばれており、反対側の筋肉も使うことで体をニュートラルに戻すと言われています。ただし、後屈については、その人の体の使い方やくせによって、腰に負担をかける可能性もあります。カウンターポーズで腰が痛く感じたら、そのポーズをせずに、チャイルドポーズでお休みしましょう。

また、無理をすると腰を痛めることがあるので、後屈のポーズを取った後やレッスン後に痛みや違和感を生じ、時間が経っても症状が治まらなかったら、迷わず医療機関へご相談ください。我慢して練習を続けることは禁物です。

後屈のポーズをする前に、準備運動しておこう

レッスン中でも後屈のポーズを取る前にウォーミングアップをしますが、その前に準備運動をしておくと、さらに動かしやすくなり、後屈のポーズがしやすくなります。そして、ケガ防止にもつながります。

太ももの凝りをほぐす

姿勢を安定させる筋肉、ももの付け根、ももの裏側をほぐします。仰向けになって片ヒザを曲げ、曲げた足先をお尻の横に置き、足のももの前側から下腹部までストレッチします。仰向けがつらいときは、両ひじをついて上体を少し起こします。終わったら、軽く前屈して、ももの裏側を伸ばしていきましょう。前屈も軽くひざを曲げるとしやすくなります。

お尻、ももの外側をほぐす

仰向けの4の字のポーズを取って、固くなっているお尻とももの外側をほぐします。股間節の可動域を広げ、腰の負担を減らしましょう。ひざの開き具合で股関節のストレッチの強度を調節します。反対側の足を上体に近づける距離でお尻のストレッチの強度を調節します。

床で腰、背中マッサージしておく

仰向けで両手両足を抱えたまま、ゆりかごのように上下にゆすって、背骨の筋肉をほぐします。また、背骨を伸ばして両ひざを曲げたまま、右に左に倒して腰を緩ませます。体の重みで気持ちよく腰や背中のマッサージをしましょう。

両手を肩に置いて、肩と肩甲骨を動かす

肩を動かして、硬くなっている肩の可動域を緩ませます。両手を肩に置いて、ゆっくりと内回し、外回しして肩回りを動かします。肩甲骨も一緒に動かす意識で回していきましょう。痛く感じるところはゆっくり丁寧に回します。

反り腰さんは自分のクセを触って確認。基本姿勢から直す。

女性の多い反り腰。腹筋が弱い人に多く、骨盤を支える筋力のアンバランスによって生まれます。また、無意識のうちに骨盤が前傾しているので、いつも腰が緊張しています。そのままで後屈のポーズをすると、腰がもっとつらくなります。
まずは、自分が反り腰かどうか確認してみましょう。例えば電車で立っている時、手で腰を触ってみます。反り腰さんは腰の筋肉がリラックスしていません。

反り腰を直すには骨盤を正しい位置に戻すことです。お尻を下にたくし込むと腰の緊張が取れ、骨盤が正しい位置に戻ります。それと同時に、おへその下を引き上げるイメージで下腹部を強くすると骨盤の位置が固定されます。

初めのうちは、腰の筋肉が硬くなっているので、この動きがしづらいかもしれません。気が付いたら、腰に手を当てて反っていないか確認し、お尻を動かして正しい位置に戻す練習をしてみましょう。この動作を何度も繰り返して、反り腰になるクセを徐々に直していきます。

長年、無意識に骨盤を前傾させているので、多少の根気が要ります。できるようになると、基本姿勢も楽にとれるようになります。レッスン中でも反り腰になっていないか意識してください。

また、この動作をしている時は上半身の力を抜くことです。肩に力が入ったり、ろっ骨を前に出さないように気を付けて行いましょう。もし、背中や腰がつらく感じたら、以下の運動をしておくと筋肉の緊張が緩みます。

背骨の曲げ伸ばし

  1. 両手を胸の前で組み、大きなボールを抱えるように輪を作ります。
  2. ゆっくり息を吐きながら背中を丸くし、骨盤を寝かせ、肩甲骨を広げます。
  3. 次の吸う息で、手のひらを反して上に伸ばします。背筋を伸ばします。
  4. 吐く息で背中を丸め、吸う息で背中を伸ばす。この動きを数回繰り返します。

この体操で腰の凝りを和らげます。椅子でも床でもできるので、背中をほぐしたくなったらいつでも行ってください。背中を丸めるときは肩甲骨を広げ、背中を伸ばすときは両体側を伸ばす意識で。ゆっくり左右に動かすと気持ちよく感じます。

正しい体の使い方は、レッスンで身につけよう

後屈のポーズのコツを理解しても、やっぱり経験豊富な講師に見てもらうのが一番。classmallインストラクターさんは、ある程度経験を積んだ方がレッスンを開催されています。自分は正しくポーズを取っていると思っていても、間違った解釈をしている時もあります。レッスンしながら修正してもらえるのは心強いこと。オンラインでも画面越しで見てもらえるから、その点も安心できますね。

後屈ができるようになると、できるポーズの幅が広がってきます。無理しないでゆっくりと段階を踏んで練習していきましょう。

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投稿者: さぼやま ともみ

ヨガ歴15年以上のインストラクター。週末のホットヨガから始まり段々とヨガの魅力にハマる。ダイエット成功後にヨガでケガをすることが増え、悩んでいた時にYoggy InstituteでRYT200を取得。その後認定インストラクターへ。ケガでヨガを諦める人を救いたい! そんな気持ちから少人数レッスンやSNSでケガをしないヨガの体つくりを広める活動をしています。