ヨガ教室に行ってみたら、クラスの始めと終わりにみんなが「オーーーームーーーーーーー」と唱えている。
「何これ?!宗教みたいで怪しい………」なんて思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
またレッスンに行くたびに意味が分からないまま唱えていて、なんとなくモヤモヤとしている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、オームやマントラについて詳しく解説していきます。
意味を知ることで怪しさがなくなり、言葉の意味を感じながら気持ちよく唱えられるようになると思いますよ。
ヨガのオーム(OM)とは?
ヨガマットやヨガウェアなどで、上の画像のようなマークを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
実はこのマークは、オームを表すサンスクリット文字です。
オームはヨガのシンボルのような存在とされています。
最も短いマントラで、インドでは紀元前1000年以上前から神聖な言葉、聖音として大切にされていると伝えられていますよ。
発音する時は「オーム(OM)」と聞こえますが、正しくは「アウム(AUM)」と表記されます。
アとウが混ざって「オ」に聞こえるため、一般的には「オーム」と表されますよ。
それぞれの音には次のような意味があります。
「A(ア)」:宇宙の始まり、創造、誕生
「U(ウ)」:維持、現在
「M(ン、ム)」:すべての終わり、破壊、未来
また意識を表す意味も持ちます。
「A(ア)」:起きている状態
「U(ウ)」:夢見ている状態
「M(ン、ム)」:寝ている状態
オームはこの3つの音で、私達の生命の始まりから終わりまで、また過去から未来まで、そして私達の意識の状態を表していると言われています。
オームは最も短いマントラ。そもそも、マントラって何?
オームは「AUM」の3音から成る、最も短いマントラだと言われています。
マントラとは、サンスクリット語で文字や言葉を意味します。
祈りの言葉や呪文のようなもので、インドではお寺で僧侶によってマントラが詠唱される儀式があります。
またマントラがインドから中国に渡って漢文になり、それが日本に渡ってきたものがお経になったと言われています。
マントラの語源はサンスクリット語の2つの言葉から来ていると伝えられています。
「マン」は考える、「トラ」は呪縛やネガティブな思考から身を守る、解放するという意味を持ちます。
つまりマントラを唱えることで、考えの呪縛から身を守って自分自身を解放することができる、という意味合いを持ちます。
マントラには神様を称賛する性質を持つものと、そのような性質は持たないものがあると言われています。
「オーム」は始まりの音と終わりの音を組み合わせたシンプルなものであり、神様を称賛するような性質は持たないものだと言われていますよ。
オームを唱えるのは宗教?
もともとヨガは、インドで宗教的行事として行われていたと伝えられています。
そのため「オーム」という言葉は、ヒンドゥー教の聖音でもあります。
仏教の「南無(ナム)」やキリスト教の「アーメン」と同じような位置づけです。
このような背景から、オームを唱えることを宗教的な行為とする一部のスポーツジムなどでは、唱えることを禁止している場所もあります。
しかし現在日本に伝わっているヨガは、宗教行事としてではなく健康維持の一環として伝わっており、宗教的な意味合いはかなり薄くなっています。
またオームという音自体は、始まりの音と終わりの音を組み合わせたシンプルなもので、そこに宗教的な意味合いはありません。
歴史を紐解いていけば宗教との関係性は見えてきますが、現在の日本ではオームを唱えること自体は宗教的行為ではない、と捉える方もいます。
捉え方は人それぞれなので、もし宗教的で抵抗がある、という方はムリに唱える必要はありませんよ。
ヨガの起源をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。
オームを唱えることによって得られる効果
ヨガのレッスンの前後でオームを唱えることで、なんとなく心が落ち着くのを感じたことがありませんか?
実はオームの音の響きは、身体的にも精神的にも嬉しい効果があると言われています。
「オーーーームーーーーーーー」というゆっくりとしたの音の振動は、70%が水分でできている私達の体の内部に伝わり、体内のバランスを整える効果があると言われています。
またオームを唱えることに集中することで、深い瞑想状態に入りやすくなり、余計な考えが排除されてリラックスしやすくなるとも言われていますよ。
宗教的な意味合いを除いても、私達に心身ともに良い効果をもたらしてくれることが期待できるのではないでしょうか。
ヨガレッスンの前に唱えることで、レッスンに集中しやすくなる効果もありますよ。
オームの唱え方のコツ
オームを唱える時の練習方法は3段階あります。
- 声を出して唱える
- 声を出さずに口だけ動かして唱える
- 口を動かさず、声に出さずに心のなかで唱える
まずは1. の声を出して唱える練習から始めましょう。
オームを唱える時は、A:U:M=2:3:5 の割合が良いと言われています。
はじめは2秒、3秒、5秒とカウントするとわかりやすいですよ。
鼻からたっぷりと息を吸い、息を吐きながらできるだけ長く一息でオームを唱えます。
「ア」から「ウ」、「ウ」から「ン」へと滑らかに音が変わっていくようにしましょう。
慣れてきたら少しずつそれぞれの音を長くしていきます。
それぞれの音の振動を感じながら、声に出してみましょう。
さらに慣れてきたら、徐々に声に出さずに、そして最後は口を動かさずに心の中で唱えるようにしてみましょう。
声に出さなくてもオームに集中することができるようになると、深い瞑想状態に入ることができますよ。
オームシャンティってどういう意味?
レッスンの最後に、「オーム、シャンティ、シャンティ、シャンティ」と唱えたことがある方もいるのではないでしょうか。
こちらもヨガ教室でよく唱える短くてわかりやすいマントラの一つですね。
シャンティとは、平和や平安を表す言葉です。
シャンティを3回唱えるのには、次のような意味があります。
自分自身が幸せでありますように。
家族など身の回りの人たちが幸せでありますように。
全世界のあらゆる存在が幸せでありますように。
シャンティという言葉を3回唱えることで、このように自分から徐々に対象を外側に広げていき、最終的には全ての生き物の幸せを願います。
オームシャンティのマントラも宗教的意味合いが少なく、比較的わかりやすいマントラなので、ぜひ取り入れてみて下さいね。
ヨガのオームマントラを日常に取り入れてみよう!
ヨガ教室で何気なく唱えていたオームやシャンティなどの言葉について、理解していただけたでしょうか。
もともとは宗教的なものでしたが、現在では精神的・身体的に効果があるものとして取り入れられています。
オームやオームシャンティを唱えると心が落ち着き、リラックス効果が得られるので、寝る前などに是非試してみて下さいね。
classmall(クラスモール)では、マントラを唱えるクラスも時々開催されていますよ。
集中力が高まり、リフレッシュ効果があると言われているマントラ。
気になる方はぜひこちらもチェックしてみて下さいね。