「足を伸ばした状態で体を倒すなんて無理!」と、前屈に苦手意識を持つ人は多いもの。
もしかしたら、「前屈」という言葉を聞いただけで腿の裏側が痛くなるという方もいるかもしれませんね。
そんな方にこそオススメしたいのが、「立位前屈のポーズ」です。
体の重みを生かしながら、無理なく腿の裏側を伸ばすことができます。
また、立位前屈のポーズは柔軟性アップだけでなく体のコリを緩和するなど嬉しい効果がたくさん。
この記事では立位前屈のポーズの効果やコツ、正しいやり方などをご紹介します。
立位前屈のポーズとは?
「立位前屈のポーズ」とは、その名の通りたった状態で前屈を行うポーズです。
英語では「スタンディングフォワードベンド(standing forward bend)」、サンスクリット語では「ウッタナーサナ(uttanasana)」と呼ばれています。
ヨガの代表的な動作である「太陽礼拝」にも含まれており、ヨガをする人なら必ずと言っていいほど経験するポーズのひとつですが、腿の裏側がピーンと伸びるため苦手意識を持つ方も少なくありません。
しかし、積極的に行うことで腿の裏側を伸ばす「ダウンドッグ」や「半分の猿神のポーズ」などがラクにできるようになる他、心身にさまざまなメリットを感じることができますよ。
立位前屈のポーズの効果
立った状態で頭を下げるだけの単純なポーズですが、実は体に嬉しい効果がたくさんあります。
代表的なものを5つご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
ハムストリングの柔軟性アップ
ポーズ中に腿の裏側が伸びる感覚がある通り、腿の裏側にある筋肉「ハムストリング」の柔軟性アップに効果的です。
ハムストリングは体の中でも比較的大きな筋肉であるため、ほぐれると下半身の血流がグンとよくなります。
そのため脚のむくみ解消や足先の冷え解消といった効果も期待できますよ。
腰痛の予防・改善
立位前屈のポーズは腿の裏側のストレッチ感に意識を取られがちですが、実は腰まわりの筋肉もよく伸ばすことができます。
そのため、血行不良による腰痛を抱えている場合、その緩和や予防に効果的。
腰まわりだけでなく背中も伸びるため、体の背面のコリを広く解消することができますよ。
首コリの緩和
頭を下げる立位前屈は顔まわりの血行促進に効果的。
もし血行不良による首のコリを抱えているのであれば、立位前屈のポーズによって緩和される可能性があります。
また、ポーズ中に脱力することで首が下に向かって伸び、首まわりの骨が正しい位置に戻りやすくなります。
そのため、首の歪みによるコリの緩和にも効果的です。
姿勢改善
首と同じように、ポーズ中に脱力することで背骨が適度に伸びるため、骨と骨の間に適切な空間が生まれます。
仕事や家事などで長時間同じ姿勢を続けてしまい、背骨の感覚が詰まっているという方は姿勢改善にも効果的。
ポーズ後は背骨がスッと伸びるような感覚を感じることができます。
リフレッシュ効果
頭を下げることで脳に血液が行き渡ります。
同時に脳に酸素が運搬されるため、リフレッシュ効果は抜群です。
頭をたくさん働かせて疲れているときにポーズをとるとスッキリしますよ。
立位前屈のポーズのやり方
- 足を腰幅に開き、両足でマットに立つ
- 息を吸いながら両手を天井に向かって伸ばす
- 吐く息に合わせ、両手と頭を遠くに伸ばすようなイメージで股関節から二つ折りになる
- 指が床についたら膝を曲げ、お腹と太ももをぴったりとつける
- 頭、顔、首、肩の力を抜く
- 数呼吸繰り返す
- 息を吐きながら背骨を丸めるようにして起き上がる
手と頭を遠くに引っ張りながら前屈していくのがポイント。背骨が伸び、股関節から深く前屈しやすくなります。また、息を吐くと筋肉が緩みやすくなるため、上体を倒すときはお腹から深く息を吐いてみましょう。腿の裏側が辛い場合は、思い切って膝を曲げるのがコツ。太ももとお腹をぴったりとくっつくまで膝を曲げてみてくださいね。
立位前屈のポーズのコツ
苦手意識をお持ちの方は、ぜひ次のコツを参考にしてみてください。
残念ながら急にできるようになることはありませんが、少しずつ理想の形に近づけることができますよ。
足幅で強度を調節する
立位前屈のポーズは足幅で多少強度が変わります。
足幅が狭いと腿裏のストレッチ感が強くなり、足幅が広いと腿裏のストレッチ感は弱まるため、腿裏が突っ張って辛い方は足幅をやや広めに開いた状態で行ってみてください。
とはいえ、開きすぎるのは別のポーズになってしまうのでNG。肩幅くらいまでを目安に開きましょう。
お腹と太ももがつくまで膝を曲げる
前屈のポーズは膝を伸ばした状態で行うのが正解ではありません。
大切なのは、股関節からしっかりと体を二つ折りにすること。そのためであれば膝はいくらでも曲げてOKです。
「膝をのばさなきゃ!」という概念は捨てて、お腹と太ももがぴったりつくまで膝を曲げてみましょう。
そしてお腹と太ももが離れない範囲で膝を伸ばすようにしていくと、腿の裏側をほどよく伸ばすことができますよ。
頭・首の力を抜く
「痛い!」と思っていると、上半身に力が入ってしまうことがあります。
膝を曲げて腿の裏側のストレッチ感をゆるめたら、今度は頭や首の力を抜いてみましょう。
各パーツが床に向かって引っ張られるような感覚を感じられるとベスト。
どうしても力が残ってしまうという場合は、重心をややつま先の方に乗せてみてください。
手元は肘と肘を掴むか、手の甲を床につけるようにして下ろすと余分な力が抜けやすくなります◎
自分の体の重さを感じるようなイメージで行ってみてくださいね。
急に起き上がらない
立位前屈のポーズは良くも悪くも頭に血が上ります。
そのため、ポーズのあと急に起き上がると立ちくらみを引き起こしてしまうことがあるのです。
勢いよく頭を上げたりせず、息を吐きながら背骨一つ一つを丸めるようなイメージで起き上がりましょう。
顔は最後に正面に向けるようにすると安全に起き上がることができますよ。
オンラインレッスンで柔軟性アップ!
より本格的に脚の柔軟性を高めたいという方は、ヨガインストラクターの指導を受けるのがオススメです。
しかし、ヨガスタジオに通ったりパーソナルレッスンを受けたりするのはハードルが高いと感じる人も多いはず。
そんな方は自宅でできるオンラインレッスンを活用してみましょう!
classmall(クラスモール)にはバラエティ豊かな少人数制ヨガレッスンが用意されており、自宅にいながらヨガインストラクターの指導を受けることができます。
自宅ならリラックスした状態で参加できるため、体も心も硬くなりすぎないというのもメリットの一つです。
体を動かせるスペースさえあれば気軽に参加することができるので、この機会にぜひ取り組んでみてくださいね。
苦手意識を捨て、リラックスして取り組みましょう!
立位前屈のポーズをマスターするためには、地道な努力が必要です。
毎日コツコツ続けることで、腿の裏の柔軟性が少しずつ高まるはず。
また、体が冷え切った状態で行うよりも温まった状態の方が筋肉が伸びやすいため、ぜひお風呂上がりなどに行ってみてください。
呼吸は止めずにしっかりと息を吐き、リラックスした状態で行うのも大切なポイントです。
コツをおさえて練習に取り組めば、いつかきっと体をぴったりと二つ折りにすることができますよ◎
その日を目指して頑張りましょう!