股関節を柔らかくしてヨガのポーズをもっと深めよう

股関節の可動域でヨガポーズも変わる

脚を上げ下げしたり、開いたり閉じたりする動作に大きくかかわる股関節。ヨガでも立位のポーズや柔軟性を高めるポーズで動かしますね。

テレワークで椅子に座りっぱなしになると股関節がつまりやすくなります。ここが硬いと足の血行が悪くなり、むくみや体の冷えを感じやすくなると言われています。

今回は、おうちでお風呂上りにできるポーズをいくつかご紹介します。日頃、意識しないと使わない股関節の硬さをほぐし、柔軟性を高めてヨガの良さを実感してみましょう。

股関節の柔軟性がもたらすメリット

股関節を柔らかくすることで、以下の効果が期待できると言われています。

ケガの防止

歩いている時につまずきやすくなったり、なんでもないところで転倒する原因の一つに、股関節の硬さが関わっていると言われています。また、運動不足で筋力が弱まり股関節に負担がかかり、股関節痛を引き起こす可能性も。股関節回りの筋肉の柔軟性を高めることで、体の動きが安定しケガの防止にもつながります。

血流を促進してむくみを軽減する

股関節回りの筋肉は骨盤とつながっていて、前後左右まんべんなく可動域を広げることで、股関節回りの筋肉の柔軟性を均等に保ち、骨盤のずれを調整する効果が期待できます。また、鼠径部も刺激し足を動かすので、足全体の血流がよくなり、足にたまっている老廃物を排出し、むくみを軽減する働きがあると言われています。

ヨガのパフォーマンス向上

お尻やもも裏の筋肉の凝りがほぐれ動きやすくなり、腰のつまりが解消します。その結果、前屈で手が床につくようになったり、手で足先をつかめるように。開脚も骨盤を立てたままできるので、前屈しやすくなります。また、立位のポーズでは、以前より足幅が広くとることができるようになります。

股関節を広げるヨガポーズ

ヨガでは股関節を前後左右に伸ばして可動域を広げていきます。体が硬い状態でおこなうと無理に筋肉を伸ばすので、体が温まっているときに行ってください。ポーズをキープしている間はゆっくりと深い呼吸を忘れずに。

三日月のポーズ(アンジェネーヤ アーサナ)

下腹部からももの前側の筋肉を伸ばすポーズです。長時間のデスクワークは、ここをこわばらせてしまいます。上体を床に沈めませるように下ろしてストレッチしましょう。

  1. 四つ這いになり、両手は指先のみ床につけてカップハンズにする
  2. 右足を両手の間に大きく踏み出す。かかとはひざの真下に置く。
  3. 左ひざをすこし後ろに引く。
    ※ひざ立ちが痛く感じる人は、左ひざの下にタオルを敷く
  4. 息を吸いながら、上体を起こし背筋を伸ばし、両手を右ももの上に置く。
  5. 息を吐きながら、上体を床に沈ませるようにおろす。
  6. 前ももの伸びがきつく感じる場合は、上体を少し前に倒す。
  7. さらに深めるときは、息を吸いながら両手を上に伸ばし、息を吐きながら、胸を開いて上体を反らす
    ※腰で反らない
  8. 目線は斜め上に向けて、この状態を数秒キープ。
  9. 息を吐きながら上体を倒して両手を床につく。
  10. 四つ這いにもどり、反対側も同様に行う。

ポイント

  • さらに負荷をかけたいときは上体を反らします。
  • 腰を使わずに、伸ばしているももの前側、下腹部の筋肉をグーっと前に突き出し、肩甲骨を寄せ胸を広げるようにしましょう。

一つ足の鳩のポーズの準備(エーカパーダ ラージャカポータ アーサナ)

股関節を外側に開く筋肉をゆるめるポーズです。

  1. 四つ這いの状態から、右ひざを曲げたまま右手の外側に置く。
  2. 右かかとが左の鼠径部にくるように、右すねと足の甲を床につける。
  3. 左足を伸ばして左ももを少し内側に回し、ひざの中央が床につくように調節する。
  4. 左右の股間節、内ももをグッと引きよせながら骨盤、上体を起こす。目線は正面に向ける。
  5. さらに深めるときは、ゆっくり息を吐きながら、上体を前に倒す。この状態を数秒キープ。
  6. 息を吸いながら上体を起こし、四つ這いにもどり、反対側も行う。

ポイント

  • 両足が離れていますが、内ももどうしを寄せ合うようにしめると骨盤が安定します
  • 股関節が硬い人はヒザを曲げている側のお尻が浮くので、お尻の下にタオルやブランケットを敷きましょう。
  • 後ろの足はつま先立ちにするとさらに安定します。
  • ポーズを深めたいときは、少しずつ上体を倒して前屈しましょう。

ねじった片足の前屈のポーズ(パリブルッタ ジャーヌシルシャ アーサナ)

お尻やももの裏側と内側を伸ばすポーズです。体側も一緒に伸ばせます。

  1. 長座になり、骨盤が床と垂直になるように起こす。
    ※下腹部を使って骨盤を起こす。腰は使わないように
  2. 左ひざを曲げ、かかとを恥骨に近づけるようにし、右脚を横に開く。
  3. 右手の親指と人差し指、中指の3本で右足の親指をつかむ。
  4. 息を吸いながら背筋をスーッとのばし、左手も上に伸ばす。
  5. 息を吐きながら上体を軽く左にひねり、右脚と同じ方向に倒す。目線は斜め上に向ける。
  6. 体側が気持ちよく伸びているところで数秒キープ。ゆったりした呼吸を続ける。
  7. 息を吸いながら上体をおこし、左手も下ろし、長座に戻り。反対側も行う。

ポイント

  • 開脚が苦手な人はひざを軽く曲げるか、手を伸ばしている脚の横に置くようにします。
  • ポーズを深めたいときは、上げている手も足先を掴んで、上体をさらに倒していきます。
  • 腰から倒さずに背筋を伸ばしたまま、股関節から折りたたむようにして行います。
  • 前屈するときは上体を横に倒して体側を伸ばす意識で。上体が前のめりになっていると体側の伸びが感じられません。

トカゲのポーズ(シーラングシュタ アーサナ)

股関節を上下に伸ばすポーズです。

  1. 四つ這いの状態から、右足を右手の横外側に置く。
  2. 右手と右すねを押し合いながら、背筋を伸ばす。
  3. 左ひざを少し後ろに引いてつま先立ちになり、息を吸いながら左ひざとももを持ち上げる。
  4. 息を吐きながら、左のかかとを後ろにグーっと押し、さらに股間節をひろげる。
  5. 余裕がある場合は、両ひじを床につく。その場合、片ひじずつゆっくりと下ろす。(写真のポーズ)
  6. 目線は少し遠くの床に向け、この状態で数秒キープ。
  7. 息を吐きながら、左ひざをつき、両手で床を押して上体を持ち上げる。
  8. 両足を四つ這いの状態に戻し、反対側も行う。

ポイント

  • まずは両ひじを伸ばしたままで行います。
  • ポーズを深めたいときは、片ひじずつ床に着いてみてください。
  • さらに伸ばしたいときは両ひじをつきましょう。

柔軟性を求めるポーズで気を付けてほしいこと

股関節を広げるポーズは、自分の域を超えた動きをするとケガにつながるので、過度に筋肉を伸ばすことは禁物です。万が一、股間節に痛みが走り症状が治まらなかったら、迷わず医療機関へ行きましょう。どのポーズも柔軟性を高めるポーズなので、できるようになるまで時間がかかります。昨日よりも1ミリ伸ばそう!くらいの気持ちで、気長に続けてください。

ポーズを練習していると、少しづつと股関節が広がるのと同時に負荷が足に伝わってきます。体がそれに耐えきれず、太もも、股関節、お尻の筋肉を傷めてしまう恐れがあるので、筋力に自信がない人は、椅子のポーズ、プランク舟のポーズ、バランスポーズなどでももの筋肉を鍛えておくと、未然にケガを防くことができます。

また、股関節の骨格、寛骨臼かんこつきゅう大腿骨頭だいたいこっとうの形によって、開脚しづらい人もいらっしゃいます。無理をし続けると重度のケガを起こしてしまうので、冷静に自分の股関節の可動域を理解し、気持ちよくポーズを取ることに意識をむけましょう。

股関節を鍛えてしなやかにしよう

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少しづつ股関節の可動域を広げて、ヨガのポーズが深まっていく過程を楽しんでください。ポーズを通じて体の伸びが感じられると、自分の意識が内側に向けやすくなりますよ。

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投稿者: さぼやま ともみ

ヨガ歴15年以上のインストラクター。週末のホットヨガから始まり段々とヨガの魅力にハマる。ダイエット成功後にヨガでケガをすることが増え、悩んでいた時にYoggy InstituteでRYT200を取得。その後認定インストラクターへ。ケガでヨガを諦める人を救いたい! そんな気持ちから少人数レッスンやSNSでケガをしないヨガの体つくりを広める活動をしています。