ヨガブロックの失敗しない選び方、効果的な使い方。ブロックを使った簡単ストレッチもご紹介!

体が硬い方や初心者こそ、ヨガブロックを!

ヨガスタジオへ行くと、ヨガマットと一緒に並んでいる長方形の「ヨガブロック」。別名を「プロップス」と言います。

「ヨガに慣れた上級者が使うものなのかな?」と思われがちですが、実は体の硬い方や初心者にこそぴったりの補助具なんです。

ヨガブロックを使うとポーズが安定するので体を痛めにくく、ケガをしにくくなるし、バランス感覚や体幹の強化、呼吸が深まるなどいいこと尽くし!

この記事では、ヨガブロックの使い方や効果、失敗しないヨガブロックの選び方、ヨガブロックを使用した簡単ストレッチをご紹介します。

ヨガブロックの役割とは

ヨガブロックはポーズをサポートしてくれる補助具。ヨガブロックの主な役割は次の2つです。

  • 体が硬い方や初心者のポーズ補助

初心者に限りませんが、ポーズ中に別のところに力が入ってしまったりマットに手が届かないことがありますよね。そのような時、ヨガブロックを使うことでポーズの正しい効果を得ることができます。ケガが治りきっていない場合や筋力に自信がない場合にも役立ちます。

  • 難易度の高いポーズの練習

熟練者でも苦手なポーズはありますね。例えば、ジャンプスルーというアシュタンガヨガで見る動き。マットについた両腕の間に、お尻を浮かしたまま両脚を通す動きです。この練習では、両手の下にブロックを置いてお尻を浮かす感覚、股関節のインナーマッスル「腸腰筋」を使って両脚を引き込む感覚などを習得します。

このように、ヨガブロックを使うことで安全にポーズが取れるようになったり、ストレスを感じることなく体をのびのびと動かすことができます。このページの後半でヨガブロックの使い方をご紹介するので、ポーズの取りやすさやご自身の体のリラックス具合などを観察してみましょう。

失敗しないヨガブロックの選び方

ヨガブロックを選ぶ際は、「素材・サイズ・重さ」の3点がポイントになります。それぞれのポイントについてご案内しますね

  • 素材で選ぶ

ヨガブロックに使用されている素材はEVA樹脂・木・コルクです。主流は軽量で持ち運びしやすいEVA樹脂。お値段も手頃で、カラーやサイズ、硬さも豊富。「機能もデザインも大事!」「初めてヨガブロックを購入する」という方におすすめです。

木製のヨガブロックはヒノキや杉など様々。安定感と耐久性に優れているぶん、お値段は少々高めですが、長期的に見ればコスパは良いでしょう。体格のいい男性や外国の方におすすめです。

コルク製のヨガブロックは安定感と滑りにくさが抜群。コルクのざらざらした表面が手のひらとなじみやすく、汗をかいても滑りにくいです。ただ、少々重たいので持ち運ぶは大変かも。パワーヨガやアシュタンガなど汗をかくヨガ、体格のいい人におすすめです。

  • サイズで選ぶ

ヨガブロックの平均サイズは縦23cm×横15cm。違いが出てくるのは高さ(厚み)で一般的な約7.5cmから10cmが使われています。高さ(厚み)があるほど安定感は増しますが、手が小さい女性や初心者の方は一般的な7.5cmがポーズによって調整しやすいでしょう。

また、一般的な形状は長方形ですが、卵型のヨガブロックもあります。背中やお腹の下に入れても痛くなりにくく、使い方次第でエクササイズやバランスポーズの強化もできます。

  • 重さで選ぶ

最も軽いのはEVA素材で約300g前後。コルクと木製(使われている木材による)は約1kg前後と重ためです。パークヨガやレッスンに持ち運ぶ場合は軽量を、自宅で使用する場合や安定感を優先する場合はコルクや木製を検討してもいいですね。

ヨガブロックの置き方は3通り

ヨガブロックを使うとき、置き方はハイ・ミドル・ローの3通りあります。「このポーズにはこの置き方で」という決まりはありません。グラグラしない安定する高さにしましょう。ヨガブロック1個では高さが足りず不安定なときは、2個重ねるといいでしょう。

  • ハイ…ブロックの最も狭い面を床につけ、高さを出す置き方
  • ミドル…ハイ・ローで使用していない面を床につける置き方
  • ロー…ブロックの最も広い面を床につける。最も低い置き方

効果的なヨガブロックの使い方

実際にヨガブロックを使ったポーズの取り方をご紹介します。ヨガレッスンでよく登場するポーズを4つピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください!

ねじった三角のポーズ

別名「パリヴリッタ・トリコナアーサナ」。

背骨と体側をまっすぐ伸ばしてツイスト、胸を開きたいポーズですが、体が硬い人にとっては背中が丸まり、手が足首やマットまで届かないかもしれません。そんなときはヨガブロックを手の下に置きます。

  1. 両足を前後1.5mを目安に大きく開き、右足のつま先を正面へ。左足のつま先はおへそ方向、約45度内側にむける。
  2. 上半身を前へ倒し、右手は腰へ。左手は、肩の真下に手首がくるようにブロックの上におく。背筋を尾骨と頭頂を引っ張りあうように伸ばして胸を引き上げ、下腹部を引き締める。
  3. 後ろの左足を強く踏み(重心を前腕にあずけすぎない)、息を吸いながら上半身を右へツイスト。
  4. 右腕を肩の延長線上に伸ばし、目線は右指先へ。下側の左手のひらでブロックを押すと、より胸が開いて右腕が高く伸びますよ。
  5. ゆったりとした呼吸で15秒キープ。

チェアポーズ

別名「ウトゥカタアーサナ」。

前ももがパンパン、膝が内側に入る、背中が丸まる、肩がすくむなど、苦手な人が多いであろう、下半身引き締めのチェアポーズ。ヨガブロックを内ももに挟むことで、内ももの内転筋がはたらいて膝の向きが正面に向き、背中が伸びて胸が開きやすく、肩が下がるようになります。ちなみに、「船のポーズ」も内ももに挟むことでポーズと呼吸が安定しますよ。

  1. 太ももの間にヨガブロックを挟み、つま先は正面。
  2. 下腹部を引き込み、背骨を上下に長く伸ばす。あごを引く。
  3. 息を吐きながら、イスに座るようにお尻を後ろ下方へ落とす。両腕は前方へ肩と同じ高さか、斜め上方向に伸ばす。
  4. 目線は指と指の中間に送り、お尻を落としたまま15秒キープ。

ダウンドッグ

別名「アドムカシュヴァナ・アーサナ」。

両手足で床を押して、肩・腰・背中・全身を大きく使うポーズ。背中が丸まったり、かかとが浮いたりしやすいですね。ダウンドッグにおけるヨガブロックの取り入れ方はいくつかありますが、ダウンドッグで大切な「腰と背中を伸ばす」ことに有効な使い方を!

  1. ヨガブロックを2つ用意。マットの前方に肩幅の位置に置く。
  2. 正座から上体を前に倒し、両手を前方へまっすぐ伸ばす。
  3. 腰が反らないように息を吐いてお腹を薄くしたまま、お尻を天井方向へ持ち上げる。
  4. 両手のひらの下にブロックを置き、さらにお尻を高く持ち上げる意識でブロックを押す。

足部よりも手の位置が高くなることで脇に力が入って体を支えやすくなり、背中が伸ばせるようになります。また、首の後ろに力が入る場合はおでこの下にブロックを置いて乗せるようにすると首の後ろがリラックスしますよ。

チャイルドポーズ

別名「バーラアーサナ」。

チャイルドポーズでお尻が浮く人はいませんか?お尻が浮く原因として、背中や股関節、前ももが硬かったり、膝や足首に不調や違和感があったりします。その場合はお尻とかかとの間にヨガブロックを挟んでみましょう。また、おでこの下にブロック(げんこつを重ねて乗せてもよい)を入れて頭の位置を高くするのも効果的です。

  1. 両足の親指をくっつけて、両膝は腰幅に開く。
  2. 両手を膝の前につき、息を吐きながら膝の間にお腹を挟むようにして上体を床に委ねる。
  3. お尻とかかとの間にブロックを挟み、両腕は前方へ伸ばす。

気持ちいい!ヨガブロックを使った簡単ストレッチ

橋のポーズ

別名「セツバンダアーサナ」。

  1. 仰向けになり、両膝・かかと・つま先を腰幅に開く。つま先は真正面に向ける。
  2. 背骨は上下に長く伸ばし、肩は下げて両腕は体側に伸ばす。
  3. 息を吐いてお尻を持ち上げたら、仙骨の下(尾骨の上にある骨。お尻の割れ目の上の辺り)にブロックを置いて骨盤を乗せる。
  4. 膝を立てたまま15秒、腹式呼吸。腰に違和感がなければ、片脚ずつ膝を伸ばして前方へ。前ももとそけい部、お腹がストレッチされるのを感じながらさらに15秒。

骨盤まわりの血行が良くなるポーズなので、冷えやむくみ、月経時の不快症状の緩和に繋がると言われています。こちらの記事では橋のポーズの詳しい効果や一緒に行うと効果的なポーズをご紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。

肩甲骨ストレッチ

長時間のデスクワークなどで背中が丸まっていませんか?ブロックを肩甲骨の間に置くことで胸まわりが伸びて肩が下がります。気持ちよく呼吸が深まります。

  1. ヨガブロックが肩甲骨の間にくるように、マットの前の方に置く。
  2. 両膝を立ててゆっくりと仰向けになり、肩甲骨の間にブロックがくるように手で調整しましょう。
  3. 首がつらい場合は、頭の下にブロックや枕などを入れる。
  4. 両脚を伸ばし、両腕は体の横にリラックスして伸ばす。肩が床に下りて胸が開くので、呼吸が深まってきます。
  5. 気持ちよければ、両手で反対の肘をキャッチして頭上へ。脇の下から背中が伸びるのを感じましょう。

無理なく快適なヨガポーズを楽しもう

いかがでしたか?ここでご紹介したヨガブロックの使い方はほんの一部。ヨガブロックの使い方に決まりはありません。あなたにとって「これだ!」という、快適で気持ちよくポーズが取れる使い方を探してみてくださいね。レッスンで先生に使い方を聞いてみるのもいいですね!

classmall(クラスモール)ではおうちで好きなヨガレッスンを受けられます。少人数のレッスンが多いため、ヨガブロックの使い方やわからないことを先生に気軽に質問できます。

ヨガブロックを使ってヨガをすると、心身の解放感がグッと深まるはず!お気に入りのヨガブロックを見つけて、無理なく快適にヨガライフを楽しんでくださいね!

classmall(クラスモール) オンライン習い事マーケット


投稿者: 大宅菜穂

股関節の不具合と反り腰による体型コンプレックスから、ゆがみを作らない「姿勢」「身体の使い方」の研究に目覚めたカラダオタク。 体を動かす楽しさ、動かせるようになる嬉しさに魅了され、編集者一筋の人生に終止符! RYT200のほか、骨盤調整や筋膜リリースヨガなどの資格を取得。現在はヨガ指導者&フリーライターとして活動中。 『頑張りすぎる身体と心をゆるめるために』。ヨガとコトバで伝えています。